awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

阿波の神社巡り

剣山 例大祭(剣山 宝蔵石神社)

今年もやってきました。剣山 例大祭。 でも起きてみたら 雨… 雨… 雨… とりあえず見ノ越まで行ってみようと車を走らせ、今年はリフトで西島駅まで登ります。 西島駅から大劔神社、御神水(おしきみず)までてくてく登り、口を潤してから一気に頂上まで登りま…

磨墨の天馬石(小松島 田野)

勝浦郡田野には天から降った天馬石という奇石があります。宇治川の先陣に、生唼(名馬 池月)のために第一着をしてやられた磨墨の石に化(な)ったものだと言われています。 磨墨とは梶原景季の愛馬であり名馬として知られていました。磨墨に乗った景季は118…

スサノオを祀る八坂の元社(以の山編 加茂名 溶造皇神社)

以前にも紹介したことのある「溶造皇(ようぞうのすめら)神社」。それは元々「いのやま」に祀られておりました。 <a href="http://awa-otoko.hatenablog.com/entry/2014/12/18/005813" data-mce-href="http://awa-otoko.hatenablog.com/entry/2014/1…

妙見菩薩となった天津甕星(阿南市 立江寺奥の院 取星寺)

羽ノ浦村大字岩脇にあり立江寺奥の院稱す、延暦中弘法大師惡星欀除の爲虚空持の秘宝を修し、大地に落ちたる惡星を當山に修め(什寳として珍襲す)、五大虚空蔵菩薩と妙見菩薩の二尊像を彫り、一宇を建立せらる、これ取星寺の權興なり、至徳年中讃州虚空蔵院…

散歩する倭大國魂神社の神體(倭大國魂神社)

重清村字西宮名にあり、大己貴命少彦名命を合祀す、神體は劍を杖て立つ上代神人の木像なり、奉祀の年代詳ならず、今より凡□百二十余年前二宮建部祠官の時、一たび偷まれしことあり、讃岐観音寺の近傍なる一祠官の家に於て發見し、像背に刻せる大島郷倭大國魂…

蔵本三谷の少彦名命(佐古 椎宮神社)

加茂名村 蔵本三谷に粟島神社あり、少彦名命を祀る。元阿波郡柿原村にありしを徳島城裏鬼門の守護として佐古十四丁目に置き、當時附近一体の地茫漠たる柳原なりしを以って柳原の名に呼ばれたり、其の後三谷に遷り以って今に至る、里俗祭神を女神と稱するは美…

大日寺は船盡神社の別当寺(大日寺、船盡神社、一宮神社、船盡比賣神社、麻能等比古神社)

(大日寺) 四国第十三番霊場である一宮町 大日寺は弘法大師の開基にして蕉中分國中寺の近くにあります。 (一宮神社) しかし大日寺は元来、神山町 船盡神社の別当寺であり、一宮神社の別当寺であった神宮寺の廃絶と共に現地に移動して一宮神社の別当寺とな…

木屋平の忌部氏と平家(木屋平 三木家、森遠 正八幡宮)

阿波忌部氏は太古から天皇が即位のときは麻から麁服(あらたえ)を織り、践祚大嘗祭(せんそだいじょうさい)に貢進してきました。麁服の貢進には阿波忌部の直系である三木家が関わり、御衣御殿人(みぞみあらかんど)として朝廷と深い関係を保ってきたので…

漁業の神 ゑびす大明神(飯谷 杉尾神社)

我が国の漁業は九州地方から発達したと考えられていますが、博多の中州、長崎と五島に漁業関係者が集まったのは日清戦争以後。これは阿波国の南方漁民が移住して漁業を開拓したことが始まりなのです。日露戦争の時にも九州の人では漁業ができずに阿波漁民が…

誓約の皇子達(八万町 王子祠、丈六町 熊野神社)

徳島市八万町には建速須佐之男命は天照大神の宇気比・誓約から生まれた五人の皇子、そのうち四人の皇子の祠が存在していたことが「八万村史」には記されています。 まずは五人の皇子が生まれるまでの簡単な経緯から。 伊邪那岐命(イザナギ)が建速須佐之男…

美保の姫神(富田八幡神社、瑞巌寺、天神社)

風速の 美穂の浦みの 白つつじ 見れどもさぶし 亡き人思へば 風早の 三保の浦わを 漕ぐ舟の 舟人騒ぐ 波立つらしも 風速の三穂の浦廻(うらみ)、風早の美保の浦曲(うらわ)。美保の崎に祀られていた神は風の強い美保の崎を廻った場所に鎮座していました。 …

黒田の庵戸宮(蔵珠院、芝原八幡神社)

国府町芝原(黒田)の地は第6代孝安天皇暦102年(紀元前291年)に、第7代孝霊天皇により遷都されたと伝わる黒田庵戸の宮の推定地。 芝原(黒田)八幡神社は「大倭根子日子賊斗邇命(おおやまとねこひこふとにのすめらみこと)」こと、「孝霊天皇」がもともと…

恐竜の神社(立川恐龍大権現)

恐竜の里1994年(平成6年)4月、高知大学地質学教室生によって勝浦(かつうら)町立川(たちかわ)の通称アゲノ谷で、白亜紀(はくあき)前期(1億2500万年前)の恐竜イグアナドンの歯の化石が四国で初めて発見された。これを機に町おこしにつなげようと、勝…

天香具山と畝火山、そして耳梨山(日の峯山、中津峰山、多家良町八多)

阿波では日の峯山と中津峰山を同日に訪れると悪いことが起きるという言い伝えがあります。 これは中津峰山頂の三十八社の天ヶ津姫神社が須佐之男命の娘であり、大国主命の妻の須勢理比賣命(すせりひめ)を祀り、日の峯山は火明命の子、天香命を祀っているか…

奈良の地名(市場町 奈良坂)

記紀において崇神紀十年に那羅山、垂仁記に那良の戸、応神記に那良山、仁德記に那良•那良山•那良の山口などを確認することができます。 これらは全て阿波の奈良街道沿いの地名と考えられ、「那良(奈良:なら)」の原意は「水の清らかな地」からきているよう…

犬を観る神社(宇多賀 賢見神社)

賢見神社は犬神憑きを落とす日本随一の神社として有名。阿波の限定された地域には、昔からの「犬神信仰」が根強く残されております。 【犬神について】犬神は、犬神持ちの家の納戸の箪笥、床の下、水甕(みずがめ)の中に飼われていると説明される。他の憑き…

筑紫の日向の小戸の阿波岐原(阿南市 橘湾周辺)

「日本書紀」神代第五段によると、イザナギはまず粟の門(あわのみなと)、速吸名門(はやすいなと)で禊をしようとしたが潮流が速いため、「橘の小戸」で禊をすることになったとあります。 江戸末期の文献「阿波志」には、 「粟の門」は阿波の水門で阿淡の…

ハニヤマ様(波尓移麻比袮神社)

美馬郡脇町の北庄一帯は北庄台地と云われる広大な河岸段丘。その台地に鎮座している北庄明神。通称「ハニヤマ様」。波尓移麻比袮神社(はにやまひめじんじゃ)です。 祭神の埴山姫(はにやまひめ)は、「古事記」では伊射奈美命が火迦具土(ひのかぐつち)を…

山脊の水主(讃岐 水主神社)

倭迹迹日百襲姫命、都の黒田宮にて幼き頃より神意を伺い、まじない、占い、知能の優れたお方といわれ、7歳のとき都において塵に交なく人もなき黒田宮を出られ、お船に乗りまして西へ西へと波のまにまに播磨灘、今の東かがわ市引田安堵の浦に着き、水清きとこ…

品陀真若王と三比賣(石井町)

(品陀真若王社跡) 名西郡石井町の日本武尊 殯宮白鳥の上流、大きく入込んだ入江に沿って「品陀真若王(ほんだのまわかおう)」と、その娘達 三人の比賣は祭祀されています。 「品陀真若王」とは五百城入彦皇子の王子、景行天皇の孫王にあたります。そして…

神功皇后の名残り(宇弥宮、住吉大明神、住吉神社)

神功皇后に絡むテーマはこれで二回目の投稿。多分に被るところがありますが平にご容赦を。(^_^;) <a href="http://awa-otoko.hatenablog.com/entry/2014/11/25/235954" data-mce-href="http://awa-otoko.hatenablog.com/entry/2014/11/25/235954">海人族の神々(住吉神社) - awa-otoko’s blog</a> 海人族の神々(住吉神社) - awa-otoko’s blog それではサクサクと話を進めていきましょう。(^O^) 神功皇后は神…

目弱王の変(天円山)

ちょっと今回は説明しにくいかも… という逃げを冒頭から申し上げておきます。(^_^;) 目弱王(まよわのおおきみ、允恭天皇39年(450年) - 安康天皇3年(456年)8月)は、記紀に伝えられる5世紀頃の皇族(王族)。父は大日下皇子(おおくさかのみこ。仁徳天皇…

武内宿禰は尊称(高良神社、武威神社)

阿波井大明神の鎮座する内海(うちのうみ)が神代より近世に至るまでも有名な阿波水軍の一大根拠地。 その根拠地で生まれついて以来、水軍大将の位置にあった武内宿禰。 【武内宿禰】(景行天皇14年 - 没年不詳)は、記紀に伝わる古代日本の人物。『日本書紀…

笥飯宮(板野町 気比神社)

板野郡板野町中久保に鎮座します気比神社。 祭神は仲哀天皇(日本武尊の第二皇子)「足仲彦天皇(たらしなかつひこすめらみこと)」 「日本書紀」仲哀天皇二年二月条に、「角鹿(つぬが)に幸す。即ち行宮(かりみや)を興てて居(ま)します。是を笥飯宮(…

神の島(善入寺島 浮島八幡宮跡)

善入寺島は吉野川の河口から約30㌖付近にある広さが約500㌶の川中島です。 昔は「天日鷲(アメノヒワシ)命」が坐す神の島、「粟嶋」と呼ばれていた聖地であります。 その「粟嶋」、大正四年に吉野川の第一期改修によって遊水池として全島買収され、島の名前…

宇狭の宮(神山町 宇佐八幡神社)

前回は阿部仲麻呂をテーマにしたので、今回は和気清麻呂つながりで。(笑) 769年 称徳天皇の御宇に和気清麻呂が神教を授かるために参拝し、神告を受けた「宇狭の宮」とは神山町 宇佐八幡神社のことであります。 詳しくはこちらから。和気清麻呂 - Wikipedi…

アマツノカサヒコ?(天都賀佐比古神社)

御祭神 級長津彦神 級長津姫神由 緒 当社は西暦6世紀以前に創建されたものと思われ、古墳時代後期、美馬郡境のあった大村郷(郡里)一帯の住民及び郡領が奉仕していた神を祭り風災を鎮め五穀豊穣を祈った由緒ある神社でその神威顕著な所から延喜時代式内社…

大富彦って…(大富彦神社)

藍住町東中富字傍示に鎮座する「大富彦神社」です。創建は不詳。祭神は犬伏左近霊とされております。 犬伏左近とは中世 阿波三好家の被官。 300貫の知行を取っていたが長宗我部元親の進攻(中富川の戦い)で討ち死しております。 後世に犬伏左近の子孫が当社…

柿本人麻呂の墓所

あまり知られていないのですが阿波には柿本人麻呂 所縁の神社が三社存在していました。 まず鳴門市里浦の「人丸神社」。これは以前に紹介しました。 &amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp;amp…

茶の神(茶神八幡神社)

上勝町 旭は「神田茶(じでんちゃ)の里」 脇道を上ると畑や石垣のすき間、山の急斜面から茶の木が見え、収穫時期には茶の香りが漂います。 上勝町旭の集落中心にはお茶の神様が坐すという「茶神八幡神社」が鎮座しております。 千年の昔から祭祀された「茶…