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阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

ハニヤマ様(波尓移麻比袮神社)

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美馬郡脇町の北庄一帯は北庄台地と云われる広大な河岸段丘。その台地に鎮座している北庄明神。通称「ハニヤマ様」。波尓移麻比袮神社(はにやまひめじんじゃ)です。
 
祭神の埴山姫(はにやまひめ)は、「古事記」では伊射奈美命が火迦具土(ひのかぐつち)を生んだ際に病気になり、臥せている時に伊射奈美命の屎からうまれた神。
また、「日本書紀」神代紀には、イザナミが火神カグツチを生んだ後、土神 埴山姫と水神ミツハノメを生み、迦具土が埴山姫と結婚して和之産巣日神を生み、その和之産巣日神の頭の上から蚕と桑、臍から五穀が生じたとあります。
 
神話では農業に必須な土神(埴山姫)から五穀が生まれたと伝わり、五穀の誕生とあわせてこの信仰の発祥地であることが確認できます。
 
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埴山姫の「ハニ」とは黄赤色の粘土を意味し、古代には須恵器や瓦の原料とされ、衣に擦り付けて模様をつけたり、丹摺りにも用いられていました。
このことから埴山姫は陶器の祖神と伝わり、神に捧げる酒や、御饌(みけ)を盛る土器の甕(みか)や深皿の器など祭祀に用いる特別な器を製作した民に崇敬されて現在に至るようです。
 
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(脇町 式内ミツハノメ神社比定される八大龍王神社:ミツハノメは埴山姫とは姉妹にあたる)

日本一社 弥都波能売神社の元社はこの祠だ⁈ - awa-otoko’s blog

 

 
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(美馬 式内天都賀佐比古神社 :埴山姫と兄弟にあたる級長津彦命を祀る)

 

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(美馬 式内比定社 伊射奈美神社:埴山姫の母 伊射奈美命を祀る)
 
日本唯一神名で祀られる波尓移麻比袮神社は、母である伊射奈美命をはじめ、兄弟姉妹が祭祀される美馬郡に鎮座している延喜式内社。
神話伝承に基づいた地理条件に一致している配置になります。