犬を観る神社(宇多賀 賢見神社)
賢見神社は犬神憑きを落とす日本随一の神社として有名。阿波の限定された地域には、昔からの「犬神信仰」が根強く残されております。
【犬神について】
犬神は、犬神持ちの家の納戸の箪笥、床の下、水甕(みずがめ)の中に飼われていると説明される。他の憑き物と同じく、喜怒哀楽の激しい情緒不安定な人間に憑きやすい。これに憑かれると、胸の痛み、足や手の痛みを訴え、急に肩をゆすったり犬のように吠えたりすると言われる。
犬神の憑きやすい家筋、犬神筋の由来は、これらの蠱術を扱った術者、山伏、祈祷者、巫蠱らの血筋が地域に伝承されたものである。(Wikipediaより一部抜粋)
賢見神社は犬神祓いのほか、病気平癒や家内安全にも御利益があるお宮として知られています。一般的な神社とは異なる特徴があり、独特な儀礼様式に則ってご祈祷が行われています。
主祭神: 素戔嗚尊・応仁天皇
特徴
・ 独特な発声と、祝詞・・・代々伝わる祝詞と、それを読上げる発声方法に大きな特徴があります。宮司は語尾を大きく釣り上げ、高音域で祝詞をあげ、禰宜は先代宮司と同様に低音で深く祝詞を詠みます。これらは代々伝わる賢見神社の祝詞となります。
・ 金弊によるお祓い・・・一般的には榊や神垂(しで:しめ縄などについている切り紙)を神主が振りかざしてお祓いを行うことが多いのですが、賢見神社では鈴のついた金幣を用いています。金幣は参拝者の頭から肩に直接触れる点が大きな特徴です。かつては邪気退散の祈願時に金幣が次々と折れたという逸話もあります。
犬神憑きについて
四国の南東部においては、古くから犬神憑きと呼ばれる動物霊による憑依・呪い伝承があり、人格の変化や手足の震え、突然の高熱などの医学的に説明の難しい病が引き起こされると考えられてきました。
“犬 (狗)”とは、いわゆるペットとして知られる動物ではなく、人にとり憑き不幸を運ぶ動物霊の総称です。
犬神信仰は現代でも特定の地域で非常に強く残っており、これを打払う唯一のお宮として賢見神社が信仰の対象となってきました。こうした地域の戸口(玄関)には賢見神社の御札が張られ、邪気を退け家内安全が祈られています。一説によれば、賢見という詞は “犬を観る”から来ているという説もあります。(賢見神社公式HPより)
「犬神信仰」の説明で賢見神社について多少ダークな印象を持たれた方も少なくないでしょうが、実際に現地に足を運んでみますと「阿波のマチュピチュ」と呼ばるほどの素晴らしい高地のロケーションの中、洗練された空気と水を境内に有した伝統ある古社であります。
創建は仁賢天皇三年(五世紀末)とされ、阿波の要塞であった「白地」において祭祀の要地であったと思われます。
やがて時代が進むと山伏や祈祷師、巫蠱などが出入りしたようで、自らの生きる糧として「犬神伝承」を一部の地域に限定し増長させていったのが、過去の記録から見受けられます。
養老律令の中の「賊盗律」に記載があり、厳しく禁止されていた古代の呪術が派生したものが「犬神」なのでしょう。
このような背景がある賢見神社は近年のパワースポットブームにあやかり、特に女性参拝者が増加しているとのことです。
特に奥社周辺は独特な磁場を有しているようで、パワースポットと呼ばれる条件に一致するする場所だと思います。
パワースポットの中で水行もできますよ。
中国系から謎の大神まで… 磐座を中心に祀っているようですが私もわかりません…。
もしくは宇多賀(うたか)は倉稲魂(うかのみたま)の転訛であれば、すなわち稲荷神の流れの可能性も大いにありえます。
(オマケ)
あまり宣伝したくないのですが賢見神社の腕輪守はとても御利益があります。
災難が降りかかると身代りになって勾玉が割れます。へたな神社のお守りより効果がありますよ。
今回は阿波古代史のテーマから大きく外れました。次回は戻しますねー。それでは。