宮ノ島に天村雲・八神殿の形跡!?
どうも。今回は事前にFacebookの方で告知風に流していたものですが意外にも「いいね」が多かったので期待に添うべく(調子に乗って)書いてしまいました。
それではawa-otokoの考察にお付き合いいただく前にまず川島神社の情報をご覧下さいませ。
【川島神社】
創建年は不詳。川島城の二の丸跡に鎮守する。
1915年(大正4年)に行われた吉野川の改修により、善入寺島の浮島八幡宮を中心に神社43社と合祀し、1916年(大正5年)10月20日に新たに川島神社として創建。
以上から本来川島神社は一社ではなく、浮島八幡宮を中心に神社43社が合祀されて現在に至ることがお分かりいただけたでしょうか。浮島八幡宮は別の名称として宮ノ島八幡宮と呼ばれ、八幡宮を崇敬することで鎮座していた宮ノ島村は神の島とも呼ばれていたのです。
(左端の宮ノ島八幡宮を表示したがいがためにこの頁を掲載しました。)
(上の頁の続きです。)
そのような宮ノ島に、何と天村雲神社が存在したという古文書を見つけてしまったのです。しかも天村雲命、伊自波屋姫が祭祀されていない天村雲神社という驚きの内容で。その他にも着目する部分として日本一社である天村雲神社が別に存在した(可能性がある)こと。そして祭祀する祭神が八神殿の神ということでしょう。
それでは実際の文書を確認しながら進めてまいりましょう。
宮の嶋天村雲神社
祭神臍の緒神(ほそのおのかみ)神号聖神と号す。是の社は京都吉田殿にある八神殿の神の教えにして八神は人の躰(からだ)に実する神より生まれ、曰く食となして生長して家業に携わり生涯を全く終る道迄たとえ神と祭りたる也。
第一: 神産日神(是臍の緒の神(うぶの神是也))
第二: 高皇産霊尊(人躰の神)
第三: 玉積産日神(魂魄の神)
第四: 生産日命(寿命を司る神)
第五: 足産日神(如何の不足もなき様に具足さす神)
第六: 大宮賣命是奥津姫命(竃神、宇受賣命)
第七: 御食神(伊勢外宮豊受皇太神、稲荷大明神、五穀の祖神にして宇迦之御魂命と申奉即此阿波の国に主 大宜都比売命も此御事也)
第八: 事代主神大己貴命の御嫡男八重事代主神と云人の◻︎◻︎を司るなり即恵比寿の神也 今人形に代りてもにこにこ笑う姿也福の神也。
下野国河内郡二荒山神是也。類聚國史十六巻曰貞観十一年二月廿八日丙辰干支日正二位の御位と下さるは神人万一生の業と教え導きなる御位なり。此の八座の神等は吉田神楽団の八神殿の祭神なり。
今此の宮の嶋なる臍の緒大明神とは第一の御神(神産日神)ならん。◻︎◻︎に神号を聖神と祟えられ凢人万の事において通せざる事なき智慧の如きを聖と云う。漢文において魯の国大聖人文宜王名丘氏姓は孔字仲尼と云いたる。人の話にて◻︎日の本にては神◻︎代にては八意思兼命又中昔にては菅原右大臣道真公神去りて後天満自在威徳天神と祟奉り此の人の如きを云うなり。是◻︎に天村雲命、伊自波屋姫の二神を祭神と号せざるは何の拠り所もなきたわ言ならん。と云云
かくあれば此社は◻︎ぶきて何を尋ぬるに◻︎◻︎
古文書を書き下してみましたが何とも達筆で解読できない箇所は◻︎で埋めています。(ごめんなさいね。)結局読みにくいので要約すると、、、
宮ノ島 天村雲神社の祭神は臍の緒の神であり、聖神である。その神とは八神殿に祀られる第一神、神産日神(かみむすびのかみ)である。
ちなみに第七の神である御食神は伊勢外宮豊受皇太神であり稲荷大明神であり五穀の祖神のウカノミタマ。そして阿波国の主 大宜都比売命でもある。(その他の神の説明は省略。)
とにかく宮ノ島の臍の緒大明神は八神殿第一神 神産日神なのである。神は時代の流れによって変化することがあり、八意思兼命が菅原道真に置き換わり、天満自在天や威徳天神に変化することもある。宮の島天村雲神社がなぜ天村雲命、伊自波屋姫を祭神としていないのは知る由もないのである。
読み下せば大体こんなニュアンスでしょうか。
この古文書だけでは真相を追うことは叶いませんが麻植郡宮の島村に天村雲命、さらには八神殿に祀られる臍の緒の神こと神産日神が祭祀されていた可能性を示唆するものではないでしょうか。
あと誤解していないことを示すものとして同文献から川田村、山崎の天村雲神社の記録も存在することを示しておきます。
(川田村天村雲神社の記録。こちも内容は要チェックです。)
(山崎村天村雲神社の記録。)
という訳で、残念ながら宮の島八幡宮を含めた周辺の遺構については見る影も形なくなり、また当時の住民は殆ど移住させられていますので伝承等は期待できません。唯一可能性が残されるのは43の神社が合祀された川島神社に何らかの記録が存在することでしょうか。また来たるべき時情報が抽出できるまでこの案件については待機したいと思います。それではまた。