宇都志国玉神は不動に坐す(上鮎喰、不動町)
「その汝が持てる生太刀・生弓矢をもちて、汝が庶兄弟をば、坂の御尾に追い伏せ、また河の瀬に追い払いて、意禮(おれ)、大国主神となり、また宇都志国玉神となりて、その我が娘・須世理比売を嫡妻として、宇迦能山の山本に、底津磐根に宮柱布刀斯理、高天の原に氷椽多迦斯理て居れ。この奴。」
このことから、大穴牟遅神は大国主神になる資格を得て、また宇都志国玉神にもなることを赦されたと考えます。(大国主神(役職)を任命できるほどの須佐之男命は何者なのか?!私は魏志倭人伝に記されている卑弥呼の後に立てられた男王と考えています)
「宇都志国玉神」とは、ウツシクニタマ神ではなく「ウトシ クニタマ神」。
大国主神の数ある中の別名です。
- 大国主神(おおくにぬしのかみ)・大國主大神 - 根国から帰ってからの名。大国を治める帝王の意
- 大穴牟遅神(おおなむぢ)・大穴持命(おおあなもち)・大己貴命(おほなむち)・大汝命(おほなむち『播磨国風土記』での表記)・大名持神(おおなもち)・国作大己貴命(くにつくりおほなむち)
- 八千矛神(やちほこ) - 須勢理毘売との歌物語での名。矛は武力の象徴で、武神としての性格を表す
- 葦原醜男・葦原色許男神(あしはらしこを) - 根国での呼称。「しこを」は強い男の意で、武神としての性格を表す
- 大物主神(おおものぬし)-古事記においては別の神、日本書紀においては国譲り後の別名
- 大國魂大神(おほくにたま)・顕国玉神・宇都志国玉神(うつしくにたま)- 根国から帰ってからの名。国の魂
- 伊和大神(いわおほかみ)伊和神社主神の呼称
- 所造天下大神(あめのしたつくらししおほかみ)
- 幽冥主宰大神 (かくりごとしろしめすおおかみ)
- 杵築大神(きづきのおおかみ)
「宇都志」とは阿波の以乃津周辺の古い地名で、現在の不動、上鮎喰周辺を指します。
この上鮎喰から不動にかけて流れる鮎喰川の川の瀬は「奈太(灘:なだ)」であり、宮中灘の祭りの発生した地であると一部では伝承されております。
従って上鮎喰から不動町にかけては根の国から戻った大穴牟遅神が統治した神代からの地。