awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

大きな港の壹與を祀る神社(宅宮神社)

 
宅宮神社(えのみやじんじゃ)
 
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徳島市上八万町上中筋に鎮座し、創祀年代不詳となっています。

そして「延喜式神名帳阿波国名方郡の「意富門麻比売神社(おおとまひめじんじゃ)」式内社)に比定されています。

 
余談ですがこの「意富門麻比賣」の神社名の中の文字から昔の地形を垣間見ることができます。
 
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「意富(オホ)」は「大(オオ)」を意味し、「門麻(トマ)」は「泊(トマリ)港」を意味します。
 
よって「八萬津(現在の上八万町)」を祀る神であり、昔は「大きな港」であったことを指しています。
 
そして「宅宮神社」は全国で唯一、大苫邊尊(おおとまべのみこと)を祀る神社でもあるんです。
 
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祭神が大苫邊尊(おおとまべのみこと)であるというのももちろん興味深いのですが、まだまだ凄い伝承があります。
 

この神社は天照大神卑弥呼)の次に治世したといわれる壱与(いよ)を祀っているとも伝えられている。

宅宮神社には平安朝の末頃から始められたと伝えられる神踊りが伝承されています。
 
五穀豊穣、悪病退散を祈願して毎年旧暦7月16日に氏子13馬組によって古式豊かに奉納され、踊り歌は12種 (御神踊、出雲踊、伯母踊、住吉踊、駿河踊、汐汲、博多踊、燕踊、鐘巻踊、忍び踊,赤黄踊、清水踊)があります。
 
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(☝︎写真はネットからお借りしました)
 
このように12種類の歌がありますが、伝承により歌詞に変化するために原本は不明となっています。
 
その中から先の見出しのヒントが含まれているかもしれない【出雲踊】の歌詞を見てみましょう。
伊豆毛の国の伯母御の宗女、御年十三ならせます、こくちは壱字とおたしなむ
 
重要な部分として出雲踊りの歌詞は
魏志倭人伝」に卑彌呼宗女壹與年十三 (卑弥呼の宗女の壱与という十三歳を王とし、国は治まった)と記載されている内容に符号する歌詞と云われているんです。
 
このような歌詞が千数百年以上続く神踊りの歌の中に含まれているのはひじょうに素晴らしいことです。
 
そして阿波に邪馬壹国があったという証拠の一角になるのではないでしょうか。
 
そして現在宅宮神社の位置から南側の山周辺にもともとは鎮座していたらしく、その背後には古墳もあったそうです。
それが壱与の陵墓であったとしたらどうでしょう。
 
最後に宅宮神社の神踊りの一つ、【御神踊】 で爽やかに締めたいと思いますw
神風や玉吹きおろす神風や、悪魔を払う伊勢の神風
御幣とる手の間の内の神風や、悪魔を払う伊勢の神風
榊葉に木綿紙垂付けて、打払えば、身には穢の霧雲なし
踊らいのー踊らいのー〜桜踊りは人踊り
難波津に咲くやこの花冬ごもり、今を春辺とさくやこの花
踊らいのー踊らいのー〜桜踊りは人踊り
桜木をくだいて見れば花もなし、花の種をば春やもてくる
踊らいのー踊らいのー〜桜踊りは人踊り
桜咲く遠山鳥のしだれ尾の、長々しくもあかね色かな
踊らいのー踊らいのー〜桜踊りは人踊り