門屋の大泉となべ渕(神山町 大泉、小泉、二之宮神社)
昔、門屋のあたりはひどい干ばつにおそわれ、人々は飲み水にも不自由するほどであった。
ある老婆が遠くの渕よりなべに水をいれて持って帰る途中、みすぼらしい格好の坊主が水を飲ませてくれという。
その老婆は心優しい人だったので「どうぞ、どうぞ」となべごとさしだした。
うまそうに水を飲んだ坊主が、なぜそんな遠方から水をくんでくるのかわけを聞くので、老婆は干ばつで苦しんでいる状態を話すと、坊主は「わたしがきれいな水を出してあげよう」というと、もっていた杖でこつこつ山肌をたたくと、清水がこんこんとわき出た。
それが今の残っている「大泉」であり、老婆がくんできた渕は「なべ渕」と呼ばれるようになった。なお、このみすぼらしい坊主は弘法大師であったと伝えられる。(神山の伝説より)
少し昔までは生活用水として「大泉」は飲み水や手洗い用に、「小泉」は野菜や果物、食器を洗ったりしていたようです。
残念ながら現在は使用されていません。
「大泉•小泉」の左側には「石風呂跡」が残されています。「石風呂」は今でいうサウナ。結構、昔から繁盛していたそうです。
江戸期には蜂須賀家の姫も度々使用しており、褒美として住民に「多田姓」を与えました。
その他、「石風呂」横にある「祠」には弘法大師も立ち寄ったとか。
そもそも弘法大師は阿波を封印する役目を担い活動していた形跡がありますので、神社に限らず寺も調査すると面白い発見ができます。
(二之宮神社は特に阿波古代史には関係ないんですが、写真を用意しちゃったので掲載)
遍路として寺を周り神仏を拝むことで古代の天皇を拝むように計算されているんですね。
これらの内容も今後詳しく書いていこうと考えています。