awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

血潮に染まる民部岩と愛宕山

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今回は番外編?です。
ちょっと気になるところで海部郡の愛宕山を調査してきたのですが、まだまだ考証に至らないためにお蔵入りにしました。(最後に触りだけ書いてます。笑)
これと言っては何ですが、ちょっとだけ愛宕山に関係する「民部岩」の伝承をご紹介したいと思います。
 
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永禄十一年、弥生。春の嵐に巻き込まれ、荒れた海の中を辛うじて那佐湾に逃れた長曾我部元親の末弟 島弥九郎がいた。弥九郎は度々の戦いに抜群の手柄を現し、兄の武勇にも劣らない猛者であったが永禄十年頃より病に冒されていたためこの度都にのぼり治療を受けようと出帆したのであった。
 
当時は長曾我部元親が土佐平定を上げれば阿波へも侵攻してくるとの噂が阿波の海部城内にも飛び交っていた。驚いた漁夫や海士から島弥九郎が那佐湾にて船がかりしたとの報告が迅速に挙げられてきた。
報告を聞いた時の海部城主 海部三郎は阿波の要害を窺いに来たと疑い、不意を襲って攻め立て病身の弥九郎と乗組員三十数名を皆殺しにしたのであった。
 
島弥九郎抹殺の報を聞いた長曾我部元親は怒り狂い、兵を挙げて甲浦に陣を取ったのが天正三年の秋。
 
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甲浦と目と鼻の先である宍喰城に拠ったのは多田民部であった。愛宕山に築かれた宍喰城は宍喰町の祖である鷲住王の末裔藤原元信が築いた城で、海を背後に城下は細い路地を蜘蛛の巣に這わせ迷路にした攻め難い城であったが、海部の兵は鈴ヶ峰に押し上げられいたため、わずか百五十騎で守る宍喰城に元親はなだれをうって攻め立てられ、宍喰城はたちまち落城したのである。
 

 

 
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1575年長宗我部元親が陸路侵入。瓦を使っていた県內三城の內の一つ、「海部城」が落城した。城主が姻族の加勢のため讃岐に出征中で、戦力不在のため、無血開城だった。
木材の集散や海路の監視所として、海部川河口の「城山」は古くから重要拠点だった。城山は、かつては周囲を海部川が巡り、海に臨む「島」だった。戦後に埋め立て造成が進んだ。ここに城が築かれたのはいつなのか、諸説あっても根拠の提示はなされていない。(wikipediaより)
 
無血開城で城を逃れた民部は宍喰川の南岸にある岩まで辿り着き岩にまたがり、城を明け渡した責任を取るために腹一文字に掻っ捌き自害したのであった。
 
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(民部岩)
 
愛宕山の南約四百メートルを流れる宍喰川の南岸堤防に下にぽっかり頭が出ている岩が確認できる。これはネンブ岩と呼ばれているが、本当の名前は「ミンブ岩」であり、多田民部が自害を果たした岩なのである。
 
 
【ネタバレ】
さて、阿波の伝説を紹介したところで本来、何を紹介したかったのか… 
 
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実は和奈佐意富曽神社は元宮は大宮山にあったと云われていますがこれは本来、愛宕山に鎮座していたのではないかということなのです。
 
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愛宕山の麓に大宮の地名あり)
 
また、「わなさおふそ」のおふ(お)そ」が「大麻の訓読みではないかという説もあり、祭神が大麻神」に関連があるとも。
 
現在、愛宕山、宍喰城跡には「愛宕神社」が鎮座しております。
大元とされる山城の愛宕神社って祭神の中に「豊受比賣命」も含まれてますよね…
 
この内容を符合させれば「豊受比賣命」即ち「大宜都比売命」、「大麻神」即ち「天日鷲命天太玉命天富命)」が当地より山城国に異動した可能性がある!と考えられるのでは???(あくまで個人の妄想ですが。)
 

 

愛宕山の真南には那佐の顎が… 
ここからイザナギが…
 
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あぁ、全部書いてしまいそう。
ってか本題よりネタバレの方に力が入っているじゃねェか…
 
ヤバいヤバい。それではまた。