滝の都 吉野宮(三野町 瀧寺)
吉野宮とは阿波での美野(よしの)。
現在では、美野が三野と変わり三野町となっております。
その三野(美野)町 加茂宮にある瀧寺が吉野宮の比定地と考えられております。
やすみしし わが大王の 聞(きこ)しめす 天の下に
国はしも さはにあれども 山川の 清き河内と 御心を
吉野の国の 花散らふ 秋津の野辺に 宮柱 太しきませば
ももしきの 大宮人は 舟並(ふねなめ)て 朝川渡り
舟競ひ 夕川渡る この川の 絶ゆることなく この山の
いや高しらす 水激(たぎ)つ 滝のみやこは 見れど飽かぬかも
【反歌(巻一ノ三七)】
見れど飽かぬ 吉野の川の 常滑(とこなめ)の 絶ゆることなく またかへり見む
人麻呂の歌で想像できるように、吉野の宮はこうした美しい景色の広がる加茂宮の丘陵地に造営されたのです。
また、この吉野宮跡を聖地として残す理由からか空海が瀧寺を創建しております。
【オマケ】
瀧寺にある三好長慶のお墓です。