朝立彦神社
「この森に人が立ち入ると黒雲が起り雷が鳴り山河を轟かす風雨になる」
祭神:豊玉毘古命、豊玉姫命
阿田賀多須命(大国主命 六世孫)
「微古雑妙」
「阿府志」には「社中に怪岩あり、頂面平らかにして凹なり 水溜りて池の如し、俗に御瓶といふ。潮瀧る時に水外に溢る」とあり、山上にありながら潮の干満との関連が示されているのは航海や漁業に関係の深い海人族たる所以でしょう。
拝殿の裏に回ると怪岩はあります。怪岩の凹んだ箇所に小さな穴があいていて、その中は一年中水を湛えています。
また潮の満干によって水量が変化したことから「応潮泉御甕(おかめ)」と呼ばれ、昔から干ばつの時には御甕に雨乞いの祈りをすると大雨が降ると伝えられています。
拝殿の前を東側に通り過ぎると展望所があります。
上記では安曇氏(海人族)との関連を書いたものの、なぜこの神社の社名が「朝立彦」となっているのか?
本当の祭神は「阿佐多知比古(あさだちひこ)」であり、「微古雑妙」にある「阿田賀多須命」が近いのかもしれません。
時代が流れていく過程でいろいろな神に移り変わる場合が多々ありますが、この神社も山の中に鎮座するにもかかわらず、海の神を中心に祀られているという部分については今後、研究者の調査結果に期待ですね。