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awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

伊邪那岐命と伊邪那美命の真実(と一部妄想)

阿波の神社巡り
伊邪那岐命(いざなぎ)は神世七代の神々の一柱として日本で最初の夫婦神として登場します。
記紀神話では、先に世に成された神々の「あの漂う国をよく修め、理(つく)り、しっかりと固めて成り立つように」と使命を受けて多くの島々、自然、神を妻の伊邪那美命と共に産んで行いきます。
伊邪那美命が火之迦具土を産んだ時にその業火で焼かれ、伊邪那美命は死んでしまいます。その後、妻を追い黄泉国まで追いかけるも妻の変わり果てた姿を見ると逃げ出してしまうのです。
追って来た伊邪那美命に対して黄泉国の入口を大岩で塞ぎます。伊邪那美命は怒り「貴方の御子を日に1000人殺しましょう」と申され、伊邪那岐命は「私は日に1500の産屋を建てよう」と答えます。この事が生と死の起源とされています。
その後、逃げ帰った伊邪那岐命は黄泉国の穢を祓うために筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で禊ぎを行います。
その時に23神を化生しその最後に「天照大御神」「月読命」「須佐之男命」の三貴子をお産みなり後に淡海の多賀に鎮座し隠れてしまわれます。

と、伊邪那岐命についてはこのようなストーリーが通説とされています。

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このストーリーの中の伊邪那岐命伊邪那美命阿波国の二大部族に当てはめて考えてみればうまく収拾がつくんですね。(各所に私の妄想が含まれていますが。)


伊邪那岐命伊邪那美命は夫婦となり国生みに取り掛かる」

【連合政権の誕生】
これは海人族の伊邪那岐命と、山上農耕部族(高天原族)である伊邪那美命との結婚です。

よって海人族と高天原族の他民族同士で同盟を結び四国 :伊予之二名島(いよのふたなのしま)において連合政権ができたということを暗示しているのです。


「二神の間に生まれた火之迦具土によって伊邪那美命が亡くなる」

【連合政権から内乱発生】
この内容からは早々に連合政権がうまく機能せずに内乱(一部の海人族がクーデターか)が発生したことを暗示しているのではないでしょうか。(お互いが生み出したものに殺されることから)
またこの内容からは伊邪那岐命(海人族)が火による攻撃(山に火を放つなど)で伊邪那美命(または高天原族)に大打撃を与えたことをあらわしているのでは?

伊邪那岐命が十束の剣で火之迦具土を斬り殺した時に飛んだ血から別の神が出現しているのは、高天原族から戦闘専門部隊が発足したことを暗示し、火之迦具土の死体から神々が生まれたのは高天原の被害状況を神の名前で語っているように感じます。(現に神山町近辺には火伏せの神である秋葉神社が多く鎮座しています)

そもそも海人族の生活圏からは海産物、米と豊富ですが、高天原族である山上農耕部族は粟などの農産物しかなく、貢(みつぎ)制度もあったことから、海人族には不利益なことが多くあったのではないでしょうか。このことが内乱の原因になったかもしれません。

伊邪那美命がいる黄泉の国に伊邪那岐命が向かい、変わり果てた伊邪那美命を見て逃げだす」

【内乱から大乱に発展】
伊邪那美命が眠る「高天原(高越山:高天原族の拠点)」を伊邪那岐命(海人族)が追い討ちをかけて攻め込んだことを暗示しています。

全国で伊邪那美命の名を冠する式内社「伊射奈美神社」があるのは阿波国美馬郡だけ。

そして伊邪那岐命が逃走の際に投げた桃の神「意富加牟豆美命(おおかむずみ)」が阿波市加茂神社で祀られています。

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「追って来た伊邪那美命に対して黄泉国の入口を大岩で塞ぐ」

【連合政権が分裂】
もちろん伊邪那美命高天原族)も応戦したでしょう。伊邪那岐命(海人族)は伊邪那美命部族の拠点である高天原(神山〜佐那河内村)の外周部を攻めながら、自らの拠点である長の国(那賀)へ戻ります。

高天原の拠点に比定する神山町高根山には「手足谷」なる地名が残ります。その由来は「下の者達が上の者達と戦い、上の者達が勝った。双方の兵士の亡骸を谷に集めたが、後年に手足の骨が土砂から出てきたことによる」とあります。(高根山 悲願寺は堅固な山城。攻めても落とせなかったとみます)

また伊邪那岐命の逃走ルートと推定する場所には(美馬郡穴吹町から阿南市に抜ける途中)黄泉比良坂にリンクする「四方見坂(よみさか)」という地名、抜けた那賀郡那賀町には「千人引き岩(ちびきいわ)」が存在します。

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伊邪那岐命は黄泉国の穢を祓うために筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で禊ぎを行う」

【分裂した政権下から三つの国が独立】
橘の小戸の阿波岐原とは阿波国橘湾周辺のことです。
伊邪那岐命(内乱を起こした海人族)は那佐湾周辺から舟で脱出し、伊島、鳴門を経由して淡路島や滋賀、京都方面に拠点を移します。

伊邪那岐命の動きについては和奈佐意富曽神社、伊島で祀られる奥津三神などから知ることができます。(奥津三神が祀られているのは日本全国をみても伊島 當所神社のみ)

妄想ついでにもう一つ。宍喰の八坂神社は日本三大祇園として鎌倉神社以前より崇高あらたかとされている神社です。
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八坂神社の祭神は通常 素戔嗚尊ですが、どうもこの社は伊邪那岐命の逃走ルートと被っております。
もともとは伊邪那岐命祭神としていたのを後世に素戔嗚尊にすり変えたのではないかと個人的に睨んでいます。

話を戻します。(笑)

そして連合政権が分裂してから天照大御神月読命須佐之男命が治める国が発生します。

これは
天照大御神は「高天原(阿波をルーツとする第二の高天原:ここでは近畿圏)」。
月読命は「夜の食国(讃岐国)」。
須佐之男命は「海原(瀬戸内海沿岸)」。
以上の三国になります。

そうです。伊邪那岐命の禊とはクーデターによって連合政権を分裂させ、新しい政権と新しい指導者による新しい国を作ることであったのでしょう。

禊を終えた伊邪那岐命(内乱を起こした海人族)は和奈佐翁(わなさおきな)・阿波枳閇倭奈佐比古命(あわきへわなさひこ)、熊野速玉大神(くまのはやたまおおかみ)と名前をそれぞれ変えて日本各地を移動していくことになるのです。

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これによって伊予之二名島伊邪那美命が封印された死国(四国)とされてしまうのです。

どうでしょう。
中身をはしょりながら書きましたのでイマイチ腑に落ちない部分があるかもしれませんが、伊邪那岐命伊邪那美命との争いのストーリーは阿波国内の海人族と高天原族の融合と分裂の内容だったんですね。

阿波は太古より言挙げせぬ国。
しかし四国に鉄の橋が架かって空海の封印が解かれた今、少しずつですがご紹介できればと考えています。