古の海の女神を祀る金磯弁天堂

桓武延暦の頃 僧空海恩山寺に於いて座禅瞑想修行の砌り東方海上の離島に龍燈を認めたり即ち船を雇して 入亀のすがた美しき此の島に上陸す梅の香も馥郁たる内に微妙の音楽につれ 迦陵頻伽瑞鳥相交わり 飛び交ふ中に容姿端麗にして威儀厳然たる一体の女神を拝したり 空海畏み その女神と一夜法話を交わし給ふ漸く東天の白む…