awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

奥野々大権現は高越大権現と表裏一体(山川町 奥野々山 奥野々神社)

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(船窪ツツジ公園から剣山を望む)

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(手前が高越寺)

奧野々山(おくののやま)は、徳島県吉野川市にある剣山系の山である。標高1,159m。
麻植郡山川町に聳える山であり、高越山の南側約3Kmのところに位置する。高越山と奥野々山の間には船窪ツツジ公園があり、國の天然記念物に指定されているオンツツジ群落が広がる。山頂にはブナ等の原生林が茂っており、登山者が少ないため、現在でも多くの自然が保たれている。山内には吉野川水系の主要河川である川田川の水源がある。(wikipediaより)

まず奥野々山。上記wikipediaの引用にありますように高越山の峯続き真南の方向に位置します。
山頂から下った場所には母衣暮露滝(ぼろぼろのたき)があります。

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 母衣暮露滝は昔から修験道場として行者の出入りが盛んであった場所で、この母衣暮露滝で垢取りを行い高越大権現を参拝したと考えがちです。しかし、実のところは奥野々大権のための禊場所であったと考えたいのです。(高越山北側麓には川田川という禊場所がある。)

 

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(奥野々神社 社殿)

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(奥野々大権現跡)

奥野々大権現(神社)は船窪ツツジ公園を中心とし、高越大権現と間逆の位置で峯続き、奥野々山頂のこんもり盛り上がった円墳らしき場所を御神体として祀られております。社殿は朽ちて祠も、もう…(泣)

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御神体の円墳らしき頂上)

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題名にもある通りに高越大権現と奥野々大権現は表裏一体であり、二柱の大権現で伊弉冉尊を祀っているのではないかと考えました。

峯続きの形状が似ているからかもしれませんが、非常に酷似しているのです。行場の位置、岩屋の位置なども。。。

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 そもそも高越大権現こと伊弉冉尊も陰陽の側面を持つ神です。

天地開闢天津神としての陽の伊弉冉尊、黄泉の國に堕ちた陰の伊邪那美命記紀には記録されています。

この内容から表向き(陽)の高越大権現は高越寺を中心に栄え、裏(陰)の奥野々大権現は歴史に隠れてしまったのではないでしょうか。

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また高越大権現が伊弉冉尊の殯宮であるなら、奥野々大権現が本陵墓(逆も然り)であるとの考えもできる訳です。

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まとめますと、高越大権現と奥野々大権現の二柱の神は二つで一つ。高越山と奥野々山を含めて伊弉冉尊の陵墓となる。のではないでしょうか。(※ あくまで個人の想像での内容です。)

ちなみに奥野々山。登山道はありますがとても体力的にキツいです。体力の自信と興味がある方は奥野々大権現に参拝してみて下さい。