awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

母衣暮露滝(美郷村)

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奥野山権現(高越寺奥の院)のもとにあり、直下五十間もあるらし、幅三五尺宛の滝六流並び落つ、中程の所にて各厳に触れ分飛して九筋となる、激水の玉屑さながら嶛々たる山の腰に雲たなひくがごとくで、滝つぼの浪は花の散り積りたることなことならず、飛流の数の九六に分かれたるもおのづから妙絶なり、惣しての横わたり三十間余もあらんとみゆ。里人ほろほろの滝と云。

はい。久しぶりに滝ネタです。「母衣暮露(ぼろぼろ)滝」です。「母衣暮露滝」は、吉野川市美郷を流れる川田川上流に懸かる滝です。
 昔から修験の道場として信仰を集めているそうです。
滝名のいわれは、ここを訪れた修験者たちが滝のしぶきで濡れるのもかまわず、日の暮れるのも忘れて、一心に祈り続ける場所であるからと伝えられています。

カーブミラー周辺には自動車が二台ほど駐車できるスペースがあります。そこに駐車して、看板にしたがって5分程度の山道を歩けば、巨大な岩壁横の滝つぼまで行くことができます。 

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視界が開けると結晶片岩の大岩が確認できます。まさに滝と共に祭祀の対象とされたモニュメント(磐座)でしょう。袂に不動明王が祀られております。

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その奥にあるのが母衣暮露滝。落差、水量こそ大したことはありませんが、欝蒼とした木々の間から射す木漏れ日と合いまって神秘的な雰囲気が漂います。

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これからの新緑の季節に母衣暮露滝は最高の姿を見せつけてくれます。
県下において特に有名な滝ではありませんが、私個人としてはとても素晴らしいお気に入りの滝です。

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【アクセスする際のアドバイス】

美郷村の郵便局からの道案内板から母衣暮露滝まで行くことはおすすめしません。
道が特に細いうえにほとんど現地の方しか使用しない未舗装の林道だからです。小型のRV車、または軽トラなどでしたら問題ないですが、普通車でも底を擦る可能性がある状態の悪さ、そしてなにぶん道が判りにくいです。
アクセスする際は山川町から高越山を登り、ツツジ公園の駐車場奥の林道から行けば問題ないでしょう。