2015-02-18 阿部仲麻呂(入田町 三かさ山) 名西郡 阿波の伝説 名東郡 天の原 ふりさみければ 春日なる 三かさの山に 出でし月かも… 【解釈】大空を仰いでみると、今しも月が美しく昇っている。あの月は、故郷の春日にある三かさ山に昇っていた月と同じ月なのだろうか。 阿部仲麻呂が故郷の山々を思い浮かべながら詠みあげたこの歌は、大正初期までは入田町を詠んだ歌であると地元の小学校では教えられていたそうです。 大穴牟遅(オオナムチ: のちの大国主命)が大日孁神(オオヒルメ: 天照大御神)に鮎をとって差し上げより以後、天照す日神子(ヒミコ)をたたえるために「アユクイノカワ」と呼ばれた鮎喰川。 その流域である入田町は阿部仲麻呂、阿部晴明に繋がる阿部一族の故里であります。 (藩政期に阿波総鎮守として崇められた大滝山 春日神社はもともと入田町春日に存在していた) 「春日」と「笠木」の地名に挟まれた平地が「天の原」。 その「天の原」の奥には 「笠置山」、「方子山」、「西龍王山」が重なり合っています。 これが本当の「三かさ山」。 (西龍王山 建治寺) 百人一首 (古今集•羇旅)に含まれる阿部仲麻呂の歌は、仲麻呂が遣唐使として阿波(倭)から唐に渡る際、阿波を偲んで詠んだ歌だったんですね。