awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

阿波独特の祭礼(地神塔)

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阿波国内に二千基程度あると云われる地神塔。
これは阿波独特なもので、寛政二年(一七九〇)に徳島藩主であった蜂須賀治昭は、神職早雲伯耆の建白を受け、県下全域に地神塔(塚)を建て春秋の社日(戌の日)に地神祭を行うようにさせたといわれています。
 
阿波藩独特の祭礼行事ではあるが、香川県の南部、岡山県南部の瀬戸内海に面する部落、北海道では阿波藩からの入植者のいる地域等で「地神さん」が祀られている)
 
その形は五角柱で、塔の五面には…
 
が彫られています。
 
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通説では農業五面神といわれていますが、正しくは皇祖天照大御神、葦原中つ国の盟主神 大己貴命、薬学の神 少彦名命、稲米(五穀)の神 稲倉魂命、埴土(はに: 土器や祭祀にかかわる)の神の五神で記紀神話の中でも国土創生に欠かせない、いわば主役級の神々であり、阿波国内では神蹟の明らかな「土着の神」であります。
 
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蜂須賀がこれを祀らせたのは、元禄十一年の文書の記載に答えがあります。
 
「阿波淡路右両国之内、古代之天子葬之場所有之由云々」
 
阿波国内の天皇陵や古代の遺跡を掘り荒らし、その神罰を恐れたために地元の氏子や農民に祭祀を行なわせたのでありました。
 
蜂須賀は過去、阿波に入国した際に豊玉比売命の神陵である豊玉龍王宮を護っていた青玄坊を謀殺したため、城内で夜な夜な亡霊になやまされた事例がありますから。(笑)
 
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(どーーーんっ)
 
この地神塔は一説に天石門別八倉比売神社の奥の院である五角形の祭壇が、この鎮魂の産物として地神塔と関連しているとの話もあります。
 
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地神塔に刻まれた五神の中の天照大御神は全ての起点として北向き(北極星として)に設置され、国土の中心軸として天石門別八倉比売神社の神陵上の斎庭に、天照大御神を招奉り交信する場(五角形の祭壇)を用意することは不自然ではないと考えられているのですね。
 
あぁ… なんか盛り上がりに欠けますね。
次回は盛り上がるテーマを考えておきます。(笑)