awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

古文書

いもじ村の天目一箇命は治水技術も伝承させたのか?

吉野川にかかる六条大橋北方の上流、高瀬潜水橋の近くに立派な神社が鎮座しています。天津彦根命の御子神、天麻宇羅命(あまつまうらのみこと)、天之麻比止都禰命(あまのまひとつねのみこと)とも呼ばれ、天照皇大神が岩戸に隠れたときに刀斧・刀物・鉄鈬…

デジャブで勧請かよ⁉︎ 鳩の原八幡宮‼︎

承平四年(九三四)、阿波国の国司になった藤原国風が巡視する際に八幡大神の御前で白鳩が群れ遊んでいる夢をみたという。当地までやってくると夢と同じ光景が眼前に繰り広げられてひじょうに驚き、都より岩清水八幡大神の御分霊を奉迎し、二百歩四面を画し…

仮説:猿田彦神が韓背宿禰の祖であったなら?(佐那河内 猿田彦大神宮)

えーっと、Facebookの方でさわりだけ投稿していた佐那河内村の猿田彦神社(大神宮)の所在地。まだぜーんぜん調査は進んでないんですが、とりあえず一次報告として私の妄想を掲載しますのでお付き合い願いたいと思います。 ヒントで掲載すた古文書の写真は、…

豊穂ハ豊茂理亦ハ豊成ナドノコトニヤ

続日本紀 延暦二年十二月甲辰阿波人正六位上粟凡直豊穂任國造トアリ、粟国造ノ本姓 粟凡直ナル事ヲ知ル可シ。此「豊穂 」ハ「豊茂理」亦ハ「豊成」ナトノ事ニヤ。 『続日本紀』(しょくにほんぎ)は、平安時代初期に編纂された勅撰史書。『日本書紀』に続く…

千波足尼(ちはのすくね)。名前の由来

(栗生野) 国造本紀に云う粟国造とは、軽島豊明の帝[応神天皇]の御世に高皇産霊尊の九世の孫の千波足尼を国造に定められたとあります。粟国造である千波足尼(ちはのすくね)ですが、とある書にて名前の由来が明記されていましたのでここでご紹介致します…

粟國造家が通った祭礼の道

久しぶりの更新です。ついつい更新を伸ばしていたら大晦日になってしまいましたwww さて、年末の休暇を利用して粟國造家が大粟山まで通った「粟國造家の祭礼の道(←勝手に名付けたw)」を歩いてきました。2016年の最後はこの大宜都比売命と粟國造家に関連す…

Legend of TAMETOMO‼︎

源為朝所縁の地は穴吹町宮内の白人神社ではなく、二戸谷流域の一帯が為朝の歩んだ所である。 こんな話が旧木屋平村には昔から伝わっている。 為朝を祀る白人神社は二戸と南二戸の二ヶ所にあり、宮内の白人神社は、もともと木屋平村市初にあった。 昔の大洪水…

滝ノ宮砦は剣山大権現の関所

徳島の剣山北麓にある旧木屋平村は平安初期に阿波忌部氏の一族が開いたと伝わり、平家の落人や阿波山岳武士の伝承が各地に残されていることは以前に投稿した通り。 中世では国衙領であった麻植郡山分の種野山に属し、三木名、河井名、大浦名などの名で構成さ…

三社だった大麻比古神社

阿波名勝案内大麻比古神社の項には本来三社によって祭祀していたと記載されています。記述によればその他にも境内社や摂社も現状とは差異が見受けられることがわかり、これはある時期に何らかの手が加えられたことが推測できます。往古の記録と現状との差異…

阿波井神社で隠れている神

阿波井神社(あわいじんじゃ)は徳島県鳴門市瀬戸町堂浦に鎮座しています。 堂浦地区と小鳴門海峡を挟んだ対岸の島田島南部にあり、クスノキをはじめとする各種の古木に全山が覆われた中に社殿が建立されています。 神殿は元々、この山の背面にあたる内海に…

阿波三國説から出てきた様々な推測

以前に粟、長、麻植の起りを投稿をまとめた内容です。 もちろんソースの古文書は転載しましたが、とてもめんどくさいので訳してません。それでも良ければ読んでみて下さいね。(≧∇≦) 上古當国は大きく三國に分かれ有りしなるたし。即ち粟と云う縣、麻植と云…

一宮家のルーツ‼︎ 大通寺良蔵院とは⁈

(神領上角川) 何かと忙しくていつもより投稿の間が空いてしまいました。「年末にかけてこの忙しさは何なんだ!(*_*) 」ということで、投稿できるタイミングの今、まだ誰も知らないと思われる情報をリークしておこうと思いますw 一宮氏祖 小笠原宮内大輔は…

神山に存在した阿波民部の城(粟国造家の拠点)

今谷名ニテハ皇子権現ト申シ、其邊リヲ皇子原ト云ニテ知ル可シ。此社ハ阿波民部城跡ニ在リ、亦同郡上浦村ニモ皇子権現ト云社在テ、有持氏ノ先祖也ト云由也。按ニ有持氏ハ阿波民部ノ子孫也。谷名ナル皇子権現ハ先祖民部ガ信仰セン神故ニ彼村ニ移シテ先祖ノ神…

千葉家系図 全:粟飯原氏の系譜

国造ニシテ子孫ハ千葉家ノ裔ノ如ク家系引誤タルヲ、其後揚奉リ国造甚□シ 千葉名全タカリシヲ以失実ニテ思ヘシヤト極依テ粟飯原ハ粟宿祢嫡流也モ末流其後大名ニ成シモ其祖ヲ千葉トシテ系ヲ残キシハ誤リナルベシ。 阿波国粟飯原家は千葉家末裔と伝承されていま…

六人の天日鷲命

久しぶりの投稿です。やっぱり文字入力するのが面倒で面倒で。。。(笑笑笑 ) さて前回の続き?(でもないけれど)忌部神について書いていきます。阿波国の他にも伊勢国、安房国・関東一円に分布し御鎮座された神 天日鷲命。なかなか実体が掴めない神だと思…

衣笠山を知ってるか?(衣笠山本記・高越大権現鎮座次第)

衣笠山… 徳島県吉野川市に聳える高越山のことですね。 衣笠とは古代以降、皇族をはじめ貴族・豪族など身分の高いものが行列などの際頭上に高くかざされたものとのことだそうです。 高越山をその目で見たことがある人はその姿を想像するに難しくないでしょう…

吉田喜七郎の杉尾非八倉比賣神社弁!!ここに。

明治初期には廃藩置県、廃物毀釈という変革期の中において地域で重要な位置を占めていた上一宮大粟神社を三代実録に神階授与の記事がある埴生女屋神社に比定する説に基づき、明治三年に埴生女屋神社と改称されるに至った。この社名変更に反対した人物のひと…

勝占神社は事代主神社 "祭神も事代主神 一柱だ!!"

勝占神社の祭神は事代主命也。何と云うに神名式の文例にて明らかに知らるる也。 神名式ハ諸国奉たる其文例国々にて異なり、我阿波国の文例に三箇の例あり。 其郡々にて地理の順序を論せず大社より記したる例板野郡大麻比古神社、麻植郡忌部神社、名方郡天石…

矢野神山 天石門別八倉比賣神社記 寫(うつし)から…

「矢野神山 天石門別八倉比賣神社記 寫」でございます。 天石門別八倉比賣神社は天石門別豊玉比賣神社とか書いて投稿していましたが、たまには趣向を変えて別の伝承をご紹介しようかなと思いまして。 念のために先に書いておきますが、「矢野神山 天石門別八…

阿部氏が大宜都比売命に仕えた理由(わけ)

名西郡神領村氏神由来傳羕之覚當社上一宮巻大明神御神号大粟姫命亦大宜都比売命トモ申奉リ其ムカシ伊勢国丹生ト云フ処ヨリ當村丹生ノ内山へ御出アラセラレケル其則私古ノ先祖木挽職ニテ右山へ罷出候折不斗御月ニトマリ給ケルニヤ大粟姫命曰ケルハ其方給物処…

鬼籠野神社は中一宮大粟神社だったのか?

中一宮大粟神社とは現在の神山町鬼籠野に鎮座している「鬼籠野神社」のことを指している。と、されております。 鬼籠野神社の祭神は大日霊尊・金山彦命・埴安姫命・カグツチ命・ククヌチ命・ミズハノメ命・国常立命の六柱。宝治二年(1248)八月八日神領村大粟…

三日月と女(大宜都比売命の神裔)

三日月家は大宜都比売命の神裔にして其先國造を勤む暦應四年國造宗成の代に至り一宮城主長門守成助の元祖 小笠原宮内大輔長宗の為に祭官新録の地を掠奪せられ祖神に奉仕することは能はずして退轉し相傳の職祿を失ひ上山地頭と爲るり粟飯原家系圖に曰く大宜都…

阿波国の氏族あれこれ(阿府志)

前回の投稿で阿波国四家ノ大身について触れました。 阿波国大身四家の他にも阿波国には神裔の氏族も存在しますし、偉業を成し遂げた氏族もございます。今回は阿波国にまつわる氏族の説明が記載されている「阿府志二十八巻」の一部(複写)をご紹介致します。…

白は城!阿波四家大身 大西氏とは!?

白地城(はくちじょう)は四国の中央部の山間地に立地し、西の境目峠を越えると伊予国・北の猪ノ鼻峠を越えると讃岐国、東の吉野川を下ると徳島平野を中心とする阿波国の中心部、南に吉野川をさかのぼると土佐国と、四国の十字路といえる位置にあった。南北…

粟国造家を継承した一宮氏の偽りの歴史

社を己の住処にうつし世々斎き奉る事となりぬ。其の社は今、名東郡一宮村一宮大明神なり。(太粟姫尊考証より) 久しぶりの大宜都比売命関連の投稿です。今回は粟国造家から一宮氏が神録を奪った裏伝承と大宜都比売命の神宝にまつわる秘密を挙げていきます。…

古社をつなげる上山の卯辰市

まずは冒頭にてご紹介。 awa-otoko's blog facebookページを作成しました。よかったらページに「いいね」をお願い致しま〜す。ブログとはちょっと違う投稿なんぞを載せたりしておりますので興味のある方はどうぞよろしく。♪( ´▽`) さて、今回は神山町の黒松…

阿波廃城考を参考にせよ。

きまぐれでの投稿です。(笑) 昨日、田口氏の祖先は武内宿禰であるとの投稿をアップしました。田口氏の他にも別の氏族を調査しておりましたところ、おぼろげではありますが氏族間の繋がりがみえてきました。阿波に築かれていた古城を治めたそれぞれの氏族を…

野見宿禰から繋がる天神村の天満天神

さて、少し前に落神の天神について触れました。 結論では邇邇芸命を祭祀しているのではないか?という事で締めた訳なんですが…しかし、またタイムリーなことに天神村の天神社について別の見解を発見するに至ってしまいました。個人的には今回投稿する内容の…

粟凡直粲胤 粟飯原家略傳を見よ!!

速報!! 明治十年に粟飯原与一こと粟凡直粲胤が記録した「粟飯原家略傳」を入手しました。これまでアップしてきた粟飯原家の伝承内容と重複する部分はありますが、粟凡直の姓で自らの家伝を記したこの古文書を読めば上山神領村の素晴らしい歴史と粟飯原家の…

笑子岩(えびすいわ)を間近で…

神山町 神領の高根山には「笑子(えびす)岩」と呼ばれる神の石がある。その形はあたかも笑っている顔に見えるので、今では笑子石ではなく人面岩の名前で知られている。 神領村誌によると、上古、阿波(粟)国を支配した神がその子孫である国造(くにのみや…