awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

Legend of TAMETOMO‼︎

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源為朝所縁の地は穴吹町宮内の白人神社ではなく、二戸谷流域の一帯が為朝の歩んだ所である。

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こんな話が旧木屋平村には昔から伝わっている。

為朝を祀る白人神社は二戸と南二戸の二ヶ所にあり、宮内の白人神社は、もともと木屋平村市初にあった。

昔の大洪水の時に流され、宮内の地に引っかかったのでその地に祭ることになったと言われている。

鎮西八郎為朝の矢立石と称する立て石は、野々脇の奥の山神神社の裏山にある。高さ一・三米。幅四十糎。厚さ二十糎の板状の石である。もう一つは、南二戸の通称「空屋敷下はな」にあって、大きさは野々脇のものとほぼ同じである。
これは平安時代の終わり頃に源為朝が穴吹の友内山の南、二本杉峠から放った二本の大鏑矢が大空三里を飛び、当地に突き立ったことから村人はその神技に大いに驚き、それぞれ矢の立った場所に石碑を立て「源為朝の矢立て石」と今も呼んでいるのである。

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皆もご存知の通り穴吹 口山に鎮座する白人神社は伊弉冉神、瓊瓊杵尊天照大神、豊秋津姫命、崇徳天皇源為朝侯を祀る神社です。中世には徳島藩家老の稲田氏が崇敬した社であります。また、隣の神明社では五社三門が築かれ、これはアレで、ソレはあれで、、○・×・※・*など、いろいろと想像を掻き立てるところ場所なのです。

さて、白人神社と源為朝の繋がりは以前にも当ブログやFBでも軽く触れたことがありますが、この貴重な地域伝承を風化させないためにも、もう一度ここで記録しておこうと考えました。

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伝承にある源鎮西八郎為朝本人が白人大明神であるかは今となっては調べる術はありません。ここで特化したいのは、社の旧所在地と移動経路が詳細に伝承されていること。これはとても珍しいです。

伝承地の旧木屋平村 市初、二戸、南二戸という場所は阿波忌部直系と云われる三木氏の本拠地、貢(みつぎ)のすぐ目の前。高越山に連なる奥野々山の真裏に位置する場所です。立石を用いた祭祀や境界、目印として使用されているのは、間違いなく忌部祭祀と考えます。

このような特異な社が流されて行き着いたのが穴吹 口山の白人社こと白人大明神。こちらも当地にてさまざまな記録が残されているのであります。

【白人大明神由緒書】

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一部抜粋しておきます。

白人大明神とは鎮西為朝の御璽とあり、神宝は御弓、御矢であるそうです。また、白人三社(白人大明神、中白人社、外白人社)以外に同地に祭祀されている御崎大明神は白人大明神より先に祭祀されていた氏神なのだそうです(御崎は后に繋がる: 誰の后かな???)

考えるところ、忌部神や源為朝のほかにもさまざまな神が繋ぎ合わされた神であるようです。現在の白人神社の祭神がそれを物語っています。源為朝崇徳院は讃岐から穴吹までの南北ラインで伝承が残っているため、平家の落人がもたらした伝承だと考えています。その他の伝承は過去記事にも掲載したので割愛しますが、穴吹口山は忌部祭祀、天孫降臨、天照皇大神の伝承が交差するエリアであるために各伝承と各祭祀が混在し融合され原初の内容がもうわからなくなってしまっているようです。

源為朝が何故に木屋平で祭祀されていたのか?それを閉鎖的に祭祀継承していた忌部の75人の宮人とは?ここでの源為朝とは何者だったのか???

今回も謎の真相を解き明かすことはできませんでしたが少しずつ記録が発見されてきています。引き続き調査は継続したいと思っています。

今回はawa-otoko's blog 記念すべきトータル300UP目。今後もどうぞよろしくお願いいたします。(´-ω-`)