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awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

奇跡が起こる岩窟(慈眼寺 穴禅定)

勝浦郡 空海の足跡 阿波の伝説 神の坐す場所

 

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慈眼寺(じげんじ)は徳島県勝浦郡上勝町に所在する高野山真言宗の寺院。山号は月頂山。詳しくは、月頂山 宝珠院 慈眼寺と号する。本尊は十一面観音菩薩。別名「穴禅定の寺」。四国八十八箇所霊場第二十番札所奥の院四国別格二十霊場三番札所。
 
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(慈眼寺 本堂)

寺伝によれば平安時代初期の延暦年間(782年-805年)四国を巡錫中の空海弘法大師)が、邪気の漂う不思議な鍾乳洞を発見した。洞窟の入口で数日間、加持祈祷を行ったところ悪龍が洞窟より出て空海を襲った。空海は法力で悪龍を洞窟の壁に封じ込めた。また、十一面観音を刻んで洞窟の前に堂宇を建立し安置した。これが慈眼寺の開創と伝えられている。(Wikipediaより)
 
はい。慈眼寺です。穴禅定です。
 
穴禅定とは空海が悪龍を封じ込めた岩窟に蝋燭一本の灯りを頼りに、様々な難所を様々な体位で潜り抜ける修行です。
潜り抜けにはガイドさん(導師という)が一名付き添って、ありがたい由来や伝承、そして難所の抜け方を指導して案内してくれるんです。
 
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(岩窟途中の空海像)
 
ちなみに穴禅定は閉所恐怖症、または肥満体型の方は潜り抜けは難しいです。(境内と岩窟現地で潜り抜け可能かチェックできます)また体験できる期間が限定されてまして、三月から十一月の間しか修行(体験)できません。
 
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(すり抜け可能かチェック!)
 
とりあえず私は昨年に体験しました。
でも私の体験談を書いたところで面白くもないでしょうから、ひと昔前の穴禅定の記録を引用します。
それからイメージしてみてくださいね。
 
 
慈眼寺より六丁奥山に観音堂あり、側に三間四方ばかりの浅き池中に弁財天の小祠あり
 
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昔、住給ひし龍神を祀るなり、岩屋へ入ることを穴禅定といふ、白き襦袢を着て行く松明の炭に汚れたることを此の池にて洗へば速におつるなり
此のうしろなる岩墻の一丈ばかり高き所に龕穴あり、梯子にてのぼり入る
 
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窟口二三間ほどは立て行く、せまたる所を脊くぐまりて入行ば、岩屋堅へは数丈高くて横に狭くなりて八九寸の隙を燭を照し、右を指て身を斜に行く事数十歩、上より滴落て甚寒冷なり
 
さて一丈四方ばかりの広き所に至る、岩壁に鍾乳石細く流れかかりて錫杖の形に似たり、長七八尺あるひは幟を懸たるごとく四筋宛長短に並びたる形左右に分たれ、又はかたまりをなしたるは、法螺鉦鞁石などと名付たるあり
 
此の所にて長き竿に蝋燭を挟みさし上げ照らし見るに、窟穴岌々と高きこと何十丈と云事を知らず、又初めのごとく一尺計の岩間をこたびは左を先に身を斜にしゆく事六七間ばかりに、三尺計高き所に胎内潜りとて二尺ばかりの穴を匐入れば、少し濶くなりて此の所にも鍾乳多く付て仏の御像に髣髴たるもの両界の曼荼羅二十五の菩薩など号けたり
 
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さて行詰たるとて広さ八畳敷と云高さ量りなし
向ふ所に護摩壇とて四尺四方ばかり高二尺余の扁き自然石に花皿やうの仏具を彫り上たるごとくなるも不思議なり
爰にて大師の護摩を修し大蛇を得道せし給ふといふ飛泉にあるやうの水音聞ゆれど闇くて見へず
 
さて元の道へ向ふて帰り来るに、かの胎内潜りは高きよりひききに出るに足よりすれば、頭岩に礙りてならず、頭より出んとするに肩のほど又岩稜にささゆ甚だ出がたき所なり
 
窮屈といふもこれなめり、是を穴ぬ逼りたるなどといへどつまるにはあらず、幾たびも様々として終に右の手を額にあて左の手を脊に当て、逆様に落ちがごとくして辛じて出たり
 
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又先のごとく身を左右に飜し洞口に出来ぬ、惣じて窟中石膚なめらかにて、圭角なく単衣の袖に支る事なし
此の窟深さ廿一間と云ひ伝れど百間ばかりも入りゆきしやうにぞある
 
 
 
どうですか。イメージできましたか。(笑)
 
私は般若心経を唱えられないので、導師(ガイドさん)から溜め息ついて呆れられたり、かなり体躯の位置とかの指示のタイミングが合わなくて潜り抜けが大変でした。
 
しかし潜り抜けてみてわかったのは、この岩窟はとても素晴らしい霊場(神域)で、修行の御利益は必ずあると思ったこと。
 
穴禅定中の岩窟内は「暗い」「狭い」「滑る」から、かなりの「恐怖と焦り」を覚えます。
 
導師曰く、「足が曲がらない人が穴禅定を終えて、スムーズに歩けるようになった。」などの御利益を教えてくれましたが、恐怖や焦りからの開放による作用。いわゆる「プラシーボ効果(思い込みによるもの)」に近いもんだと解釈しました。
昔の人は理屈は説明できないものの、人間の未知の能力を引き出す奇跡の術を知っていたんですね。
 
さぁ、穴禅定に興味がある方。この春から慈眼寺で修行してみませんか。(笑)