二つ森神社の蛇(二つ森神社)
石井町高川原村は東西に長く西は高原、浦庄に接しています。西の端が南島で、ここに神社があります。
一つの神社であるのに「二ツ森さん」と呼ばれています。
昔は北と南に森があってそれぞれ神社があり、それがいつか分かりませんが、一つの神社になったそうです。
話によると大昔、豊玉比売が阿波へ入国された時にここにおられたそう。
二ツ森の近くに「烏(からす)の森」があり、今も豊玉姫神社(玉子神社)があります。
話を本題に戻します。
その二ツ森の大クスには大蛇が住んでおり、夜がくると美男に化けて天神沢の娘の部屋へ通っておりました。
その後、娘はたらいに七杯半蛇の子供を産んだそうです。
それを知った村の者が入田町から薪を切ってきて、大クスの幹へ積み上げ大クスを燃やしてしまった。
大蛇は焼け死にましたが、大蛇の首は東禅寺に葬ったとあります。しかしここも後に火事に遭い焼けてしまったそうです。
私が思うには、阿波には当時虐げらていた人達を蛇、狸や狐などの動物に例え、昔話や伝承に含めている事が多いように思います。(特に狸は多いです)
当時の人達も人が人に対して行なったことに少なからずの良心の呵責があり、自責の念から動物に対する行いとして脚色したまま民話として継承していると考えてしまうんですね。