awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

神の坐す場所

友内山は高千穂神山

友内大権現は旧郷社であり神饌幣帛料供社。創建年代不詳。友内山一名木綿麻山の頂上の近く、阿波忌部の祖神 天日鷲命を祀り古くから山岳信仰の対象とされてきた。中世には阿波守護小笠原氏や細川氏の崇敬社となり、藩政時代は友内大権現と称した。のちに友落…

☆★☆剣山山頂大祭だぜ★☆★

その昔は女人禁制の掟が固く守られていた剣山。錫杖や法螺貝を持つ先達に連れられた白衣の講組が六根清浄を唱えながら山崎から種野峠・燧峠を越えて二泊三日で登山していました。現在は穴吹・貞光からふもとまでのバスの便があり、夏季には貞光から見ノ越ま…

剣山で見つけた穴(アーク編)

今日は番外編。実は… 剣山調査中に穴を見つけてしまいました。いろいろな人が、いろいろな説から指し示しめした場所に穴が存在しますが、それとはぜんぜん違う場所にありました。 (これが件の穴な。)言っておきますが普通に見つけられる場所ではありません…

神領 粟国造の館考

大通寺正覚院ハ今上角名大通寺良藏院といふ院内一派の修験なり。一宮城主小笠原氏と縁を組し事今に此村に言伝あり。又小笠原氏隠居家なりといふ説もあり。 小笠原長宗が粟国造家の神録を強奪して一宮大宮司と称したことはこれまで拙ブログ記事でも紹介済み。…

箸蔵寺に隠された「箸:はし」とは何なのか⁉︎

はい。今回は三好の箸蔵寺。讃岐金毘羅さんとは深い深い関係にあって古より奥之院とされております。(結構距離が離れているのにね。) ちなみにawa-otokoは大國主命と少彦名命が伊豫国の道後温泉への行幸途中に立ち寄った場所の一つが箸蔵寺だと考えていま…

劔の山 不動明王スサノヲ伝説

剣山の明神は、木屋平の龍光寺と祖谷の圓福寺両別當の相持ちにて社も大剣小剣の二に分れたり。村人は此神を安徳天皇の御剣なりと云傳ふれど、正しくは忌部神なるべし。さて此剣山の祭禮に山村の女子が白粉をよろほひて、其の上に紅を以つて額又頬に十の字を…

鈴ヶ峰に空海が祀ったのは本当に聖観音だったのか?

(聖観音像が見つかった岩屋) 阿波の南、海部郡宍喰町鈴ヶ峰円通寺の観音様伝説はご存知でしょうか。 慶安三年の頃、櫛川村(旧川西村大字櫛川、鈴ヶ峰北側ふもと)に五良兵衛という猟師がいた。毎日各所の山を駆け巡って獲物を狩る腕利きの猟師として名を…

木地師と修験者の聖地

一宇村の中心である古見から片川谷沿いに林道を進めば木地師の集落 木地屋に行き着く。海抜800から1000㍍の急斜面を耕す住民、その先祖は昔盆や椀の木器をつくる木地師であった。半田漆器の材料を製造していたが、大正時代の末に半田塗りがすがたを消すと和…

古代の女神達を鎮めた川除大明神と龍王

(字が見えにくい〜。) 川除けとは堤防のことである。川除大神宮は龍蔵堤の守り神として祀られたものである。西から流れ来た吉野川とその支流、新宮川(現在の神宮入江川)はこの付近ではほぼ直角に流路を転じ、北流していた。このため徳島城下を洪水から守…

阿波で相伝される宇豆売の舞

鳴門の撫養(岡崎城)跡に鎮座する妙見神社に参拝した折、太々神楽を間近で見学することができました。今回は伝承を絡めながら紹介したいと思います。 まずは鳴門妙見神社のご紹介から。 撫養に没した室町幕府10代将軍 足利義植が妙見尊星を勧請し社殿を造営…

水都 徳島 : 渭水の役割

徳島城はJR徳島駅の北側にあり、徳島市の中心部に位置する。吉野川河口付近の中洲に位置する標高61メートルの城山に築かれた山城と城山の周囲の平城からなる、連郭式の平山城である。渭山城・寺島城この地は鎌倉時代より伊予国地頭の河野氏が支配していた。…

忘却の山幸海幸伝説(海幸彦は天牟良雲命編)

羽落神社 主祭神 天牟良雲命創立年月不詳。阿波国の開拓祖神として御功績顕著なるに依り、古くより鳥取大権現と尊び参り、寿命守護神悪魔除の神様と信仰四方に聚め御神徳御霊験は厚く、県内は勿論県外より参客あり。燈明千番を献り日夜絶えない。「寛保帳」…

忘却の山幸海幸伝説(長国ヒコホホ峠編)

神代の古い物語は長国 阿南市新野の廿枝(はたえだ)にひっそりと伝えられていました。当地には彦火火出見(ひこほほでみ)尊がお留まりあそばされた御在所が存在したという伝説が残されています。 【彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)】 彦火火出見尊・…

安閑天皇を祀る飛蔵宮

土成町宮川内の奥に飛蔵山(ひそやま)という山がある。飛蔵山は御祭神として第二十七代 安閑天皇を奉斎する吉野神社が古くから鎮座していたと伝わる。吉野神社は神仏習合の時代に飛蔵宮(ひそみや)または蔵王権現と改称され、山伏をはじめとする修験道の一…

勝浦日向山の大日孁神

(気延山 山頂 古墳跡) 永正年間弥生月のある日、平家の一族である阿佐家の権三郎という人が長奥(那賀の奥)の親族宅へ向かうために祖谷から木屋平を通り、おばこ峠を越えて高鉾の西谷薬師谷を通過していた。日向山(日浦山)の太平に来た時には日が暮れて…

仮説:猿田彦神が韓背宿禰の祖であったなら?(佐那河内 猿田彦大神宮)

えーっと、Facebookの方でさわりだけ投稿していた佐那河内村の猿田彦神社(大神宮)の所在地。まだぜーんぜん調査は進んでないんですが、とりあえず一次報告として私の妄想を掲載しますのでお付き合い願いたいと思います。 ヒントで掲載すた古文書の写真は、…

高彦根山と弘法大師

平安初期の延暦二三年、空海と最澄は遣唐使の船に便乗し中国の唐に渡った。最澄は翌年に帰国して比叡山延暦寺を開基し天台宗を広め、空海は延暦二五年、年号が改元され大同元年となったこの年に帰国し真言宗を広めたのである。 空海は最澄と同じように宗の開…

熊野権現と阿波

熊野権現とは熊野三山の祭神である神々をいい、特に主祭神である家津美御子(けつみみこ)・速玉・牟須美(ふすび、むすび、または「結」とも表記)のみを指して熊野三所権現、熊野三所権現以外の神々も含めて熊野十二所権現ともいう。(Wikipediaより) 後…

2017年 明けおめことよろ。

新年明けましておめでとうございます。 今年の初詣もawa-otokoは粟国魂神 大宜都比売命にご挨拶してきました。 (上一宮大粟神社) (一宮神社) (天石門別八倉比賣神社) 今年もawa-otoko's blogをよろしくお願いいたします。(о´∀`о)

粟國造家が通った祭礼の道

久しぶりの更新です。ついつい更新を伸ばしていたら大晦日になってしまいましたwww さて、年末の休暇を利用して粟國造家が大粟山まで通った「粟國造家の祭礼の道(←勝手に名付けたw)」を歩いてきました。2016年の最後はこの大宜都比売命と粟國造家に関連す…

三社だった大麻比古神社

阿波名勝案内大麻比古神社の項には本来三社によって祭祀していたと記載されています。記述によればその他にも境内社や摂社も現状とは差異が見受けられることがわかり、これはある時期に何らかの手が加えられたことが推測できます。往古の記録と現状との差異…

阿波井神社で隠れている神

阿波井神社(あわいじんじゃ)は徳島県鳴門市瀬戸町堂浦に鎮座しています。 堂浦地区と小鳴門海峡を挟んだ対岸の島田島南部にあり、クスノキをはじめとする各種の古木に全山が覆われた中に社殿が建立されています。 神殿は元々、この山の背面にあたる内海に…

一宮家のルーツ‼︎ 大通寺良蔵院とは⁈

(神領上角川) 何かと忙しくていつもより投稿の間が空いてしまいました。「年末にかけてこの忙しさは何なんだ!(*_*) 」ということで、投稿できるタイミングの今、まだ誰も知らないと思われる情報をリークしておこうと思いますw 一宮氏祖 小笠原宮内大輔は…

神山に存在した阿波民部の城(粟国造家の拠点)

今谷名ニテハ皇子権現ト申シ、其邊リヲ皇子原ト云ニテ知ル可シ。此社ハ阿波民部城跡ニ在リ、亦同郡上浦村ニモ皇子権現ト云社在テ、有持氏ノ先祖也ト云由也。按ニ有持氏ハ阿波民部ノ子孫也。谷名ナル皇子権現ハ先祖民部ガ信仰セン神故ニ彼村ニ移シテ先祖ノ神…

六人の天日鷲命

久しぶりの投稿です。やっぱり文字入力するのが面倒で面倒で。。。(笑笑笑 ) さて前回の続き?(でもないけれど)忌部神について書いていきます。阿波国の他にも伊勢国、安房国・関東一円に分布し御鎮座された神 天日鷲命。なかなか実体が掴めない神だと思…

衣笠山を知ってるか?(衣笠山本記・高越大権現鎮座次第)

衣笠山… 徳島県吉野川市に聳える高越山のことですね。 衣笠とは古代以降、皇族をはじめ貴族・豪族など身分の高いものが行列などの際頭上に高くかざされたものとのことだそうです。 高越山をその目で見たことがある人はその姿を想像するに難しくないでしょう…

吉田喜七郎の杉尾非八倉比賣神社弁!!ここに。

明治初期には廃藩置県、廃物毀釈という変革期の中において地域で重要な位置を占めていた上一宮大粟神社を三代実録に神階授与の記事がある埴生女屋神社に比定する説に基づき、明治三年に埴生女屋神社と改称されるに至った。この社名変更に反対した人物のひと…

勝占神社は事代主神社 "祭神も事代主神 一柱だ!!"

勝占神社の祭神は事代主命也。何と云うに神名式の文例にて明らかに知らるる也。 神名式ハ諸国奉たる其文例国々にて異なり、我阿波国の文例に三箇の例あり。 其郡々にて地理の順序を論せず大社より記したる例板野郡大麻比古神社、麻植郡忌部神社、名方郡天石…

矢野神山 天石門別八倉比賣神社記 寫(うつし)から…

「矢野神山 天石門別八倉比賣神社記 寫」でございます。 天石門別八倉比賣神社は天石門別豊玉比賣神社とか書いて投稿していましたが、たまには趣向を変えて別の伝承をご紹介しようかなと思いまして。 念のために先に書いておきますが、「矢野神山 天石門別八…

天手力男神の系譜: 異名同神・天石門別豊玉比賣は誰なのか?

はじめに今回の投稿は異名同神の内容が重複します。awa-otokoが一般通説と土地の口伝を併せ、都合よく解釈している内容です。文中に理解し難い箇所も多々出てくると思いますのでご注意下さいw 異名同神については調査・研究の中で複雑化、間違った方向に誘導…