awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

明神、大明神、権現、大権現

粟国造家を継承した一宮氏の偽りの歴史

社を己の住処にうつし世々斎き奉る事となりぬ。其の社は今、名東郡一宮村一宮大明神なり。(太粟姫尊考証より) 久しぶりの大宜都比売命関連の投稿です。今回は粟国造家から一宮氏が神録を奪った裏伝承と大宜都比売命の神宝にまつわる秘密を挙げていきます。…

古社をつなげる上山の卯辰市

まずは冒頭にてご紹介。 awa-otoko's blog facebookページを作成しました。よかったらページに「いいね」をお願い致しま〜す。ブログとはちょっと違う投稿なんぞを載せたりしておりますので興味のある方はどうぞよろしく。♪( ´▽`) さて、今回は神山町の黒松…

不思議な亀(瓶)のつながり

神山町下分の宇佐八幡の対岸には大石がある。現在は宇佐八幡に合祀されているが、かつて下分に大岩神社と呼ばれた社があった。この神社はもともと上分の奥屋敷で祭祀されていたが大水のために流出し、そのとき瓶に入れていた神器が漂着したのがこの石である…

埴土の郷 入田に潜にゅうだ(にゅうた:入田)‼︎

はい。今回は入田町に潜入しました‼︎ 入田町はネタの宝庫であります。一つ一つの旧跡で数回投稿できるネタはたくさんありますが、ここはawa-otoko'sblog‼︎ 小出しせずに一挙公開といきたいと思います‼︎ まず入田町の説明。 「入田村史」によれば景行天皇の代…

この氣、何の氣?屋嶋城(やしまのき): まつろわぬ神、蓑山大明神・屋島稲荷の章

前回は序章だったので屋嶋城(やしまのき)自体の説明にとどまりました。 阿波の大滝山に高安城(たかやすのき)があったが故に屋嶋城が造られたと想定した訳です。が、屋嶋城の頂上には古代より"崇敬される遺物"が存在した形跡がちらほら。 今回の投稿は、…

大粟山庄の祭官 田口氏とは??

(粟国造本館跡:推定) 田口一族は宮主と称し国造家と称して南北朝の初頃まで大粟山庄で大粟神の奉仕を行っていた。 平城天皇の大同三年五月九日に左少弁従五位下 田ノ口息継が阿波国司に任ぜられ、子孫が公領の荘園化とともに阿波に土着し豪族となったの…

粟凡直粲胤 粟飯原家略傳を見よ!!

速報!! 明治十年に粟飯原与一こと粟凡直粲胤が記録した「粟飯原家略傳」を入手しました。これまでアップしてきた粟飯原家の伝承内容と重複する部分はありますが、粟凡直の姓で自らの家伝を記したこの古文書を読めば上山神領村の素晴らしい歴史と粟飯原家の…

笑子岩(えびすいわ)を間近で…

神山町 神領の高根山には「笑子(えびす)岩」と呼ばれる神の石がある。その形はあたかも笑っている顔に見えるので、今では笑子石ではなく人面岩の名前で知られている。 神領村誌によると、上古、阿波(粟)国を支配した神がその子孫である国造(くにのみや…

木屋平から献上されるエレメント

大嘗祭(=新嘗祭)の儀式の形が定まったのは、7世紀の皇極天皇の頃だが、この頃はまだ通例の大嘗祭(=新嘗祭)と践祚大嘗祭の区別はなかった。通例の大嘗祭とは別に、格別の規模のものが執行されたのは天武天皇の時が初めである。ただし当時はまだ即位と結…

白鳥神社の参道を指す鳥坂から出てきたもの

国府町尼寺、古来の尼木(海城:あまぎ)の隣にある山麓の地名、鳥坂(とっさか)とは白鳥神社続く「(白)鳥(へ向かう)坂」を指しているものではないのか? (白鳥大明神こと白鳥神社) また、海城にある御瀧神社は本来の白鳥神社の入口であったはずで、詳…

驚愕の事実だったよ 剣山大権現縁起(実地調査Ver)

はい。以前にUPした剣山大権現縁起に肉付けするべく利剣山 藤之池龍光寺に参拝して参りました。 いやぁ〜、半端ない雰囲気の中で龍光寺の境内をくまなく確認させて頂きました。 ただ、、、龍光寺に参拝する前には剣山登山。 GWで見ノ越の無料駐車場は第一、…

千波足尼が遺した伝承

阿波国の南北。さらには伊豫の国。断片的ですが大粟大明神の繋がりが見えてきました。今回は千波足尼(ちはのすくね)、即ち粟国造氏族の残した古文書の写しから進めていきます。たまには妄想じゃなく考証もしとかないとね。 大粟大明神古記(写)です。 一…

小杉榲邨は騙されたのか?(その壱)

知ってる人は偉業を知ってる。知らない人は全く知らない。(笑)まずは知らない人へ、小杉榲邨(こすぎすぎむら)という人物のご紹介。徳島藩の陪臣の子として生まれる。通稱は五郎、號は杉園(さんえん)。藩校で漢學経史を學び、古典の研究に専念し、本居…

ぶらぶら散策。忌部大神宮跡

本業が繁忙期真っ只中で古文書を読み解く集中力も湧かないので、かつて忌部大神宮が鎮座していたと伝わる高越大権現(高越寺)をぶらぶらしてきました。 吉野川市山川町から高越山に入ります。 先月までは積雪や路面凍結で車での進入が危険な状態でしたが今…

大宜都比売命 八伴神の宮を探しだせ!!

神代に御馬に乗り給いて、八前の伴神を引率して本国に移らせ玉ひ、大麻比古、天日鷲命と共に一国経営の始めに粟を蒔き玉ひし神勲を以て御名を大阿波女神、八倉比賣命、田口大明神と申し、亦大宜都比売命と尊称奉る。大麻比古大明神、種穂大権現 粟耕作なさ…

驚愕の事実 剱山大権現縁起(阿波弁Ver)

ちょっと気にて調べてみれば驚きの連続だった剱山大権現縁起。こちらは明治十二年、神山村の三日月家(粟凡直一族)たる粟飯原氏によって記録されたものです。 何故に高越大権現の昔話を一宮大明神氏子が書いたのかはわかりませんが、書いている内容から推…

天智天皇はフェイク!? 葛木男神の影…

(阿州北灘葛城大明神縁起) 謹みて按ずるに天智天皇は葛城皇子と申し、又、中大兄皇子とも申し奉りしなれば葛城大明神と號し奉ること其故あるべし 昔々、天智天皇が讃岐國八島(屋島)へ御幸の御時、粟田村に御船がかかり、とある池の鮒を釣りしようとされ…

弥吉明神の御神像

御神像の御姿は烏天狗を型取り赤銅によって造っていると伝えられている。顔は烏天狗で身体は座して合掌しており、身の丈は一寸内外。現在の明神町 大麻比古神社(おおまひこじんじゃ)の御本尊である。 この御神像は中世より一宮城主であった一宮一族に三百…

大麻比古神は何者?

大阿波女神は当国開闢の大神あらせしなりにて経営の初は粟を蒔き給いし神勲も有り給う由は此の姫紛れなきなり 天日鷲神も大阿波女神も御兄弟なる由動かざる考えなり 按ずるに阿波女神、天日鷲神、大麻比古神 この三神は同系の神等なり 引き続き大宜都比売命…

忌部本社の鎮座地はここだ!!

え~、過去に忌部神社の本社地をめぐって忌部系統の神社が「我、由緒ある本社地である。」と各々が名乗りを挙げて揉めに揉めた騒動が起きていたのはご存知でしょうか。 (知らない方は下の引用で確認してください〜。↓↓↓ ) 『延喜式神名帳』に載せる「阿波…

阿波が粟であるために

名西郡なる大粟山 國号起こりし由の古傳にありて 今猶大粟一谷の諸人とく知るところなり 粟を蒔き専ら御食功徳坐て御名を大宜都比売神亦の御名を大阿波女神と美称奉り 其粟を蒔き給ひし地を大粟山 亦名 粟生山と云ひ 国号を粟国と云伝ふ也 阿波国内には阿波…

阿波女社宮主祖系を探る… 粟国造家と粟国造館の秘密

阿波女ハ太粟姫尊ノ御事若室神ハ太粟姫尊の御子ニテ畠多神迄ヲ高皇産霊尊九世孫 千波足尼迄ヲ神ト記サル也 大宜都比売命の末裔は大宜都比売命の御子 若室神(葦稲葉神)より八代目の畠多神までが神とし、粟國造之祖八倉比賣神社宮主とされ、以降九代目の佐…

大宜都比売命の父は天手力男命

前回の続きです。 冒頭からトンデモないテーマで開始してしまいました。。。 さて、前回は「天石門別八倉比賣神社」は「天石門別豊玉比賣神社」だった旨を文書を基に簡単に紹介した訳でありますが、今回はこの結果に至った経緯を書いてみたいと思います。 …

大宜都比売命と壹與と乃良根公と。

今回は私の稚拙な想像レベルの話ではなく、毎回キレッキレの考察でとてもわかりやすい"乃良根公(のらねこぶるーす)氏"の文言を借りて話を進めさせて貰います。 http://blogs.yahoo.co.jp/noranekoblues 乃良根公氏が綴る超有名blog 「空と風」。 阿波古代…

高越大権現と一宮大明神の争いから大宜都比売命の移動を探る(麻植郡 高越山・名方郡一帯)

さて、今年も残すところあとあとわずかになってしまいました。今年最後の投稿になります。 (高越大権現 奥の院 蔵王権現) 伊射奈美神社高越大権現役ノ小角此峯ニ升リ伊弉冉神社ノ側ニ金峯山蔵王権現ヲ勧請有テヨリ河原吉野川□ト云フト此神ヲ役小角祭リ玉…

船盡比賣命は木船ノ神(神山町阿野 船盡神社)

awa-otoko.hatenablog.com入田町の船盡比賣神社については全国の岐の神の元社とし、大宜都比売命の兄弟神「天 島(鳥:とり)船神」が祭神であると書きましたが、松浦年長が記した文書から捨て置けない内容を発見しましたのでご紹介します。(歯の辻 船盡神…

船戸の盡(はて)〜(一宮町 船盡神社)

一宮祠の東百八十歩 船渡神あり 或は以て船盡と為す是なり三代実録貞観十四年十一月二十九日従五位を授く、旧事記云ふ島之石楠船神又の名は天島船神、大宜都比売命の兄弟也 船戸の神、即ち「岐(き)ノ神」についての解釈は難しく、時間的・空間的に拡散して…

ヲカノカミはウカノカミ(板野町 岡上神社)

岡ノ宮といふ地名も岡上神社あるよりて屓ひし名か 又岡と云ふ地名ありて其処にある社なれば やがて岡上ノ神と申ししか其先後はしるべからざれど いづれ岡ノ上といふ地名も近き世に云ひ出せしこととも聞こえねば必今の社なるべし 又祭神を豊宇氣毘賣神なりウ…

稲荷神にして合体神 - 葦稲羽の神(神山町 若宮神社・稲荷大明神)

神山町 神領を通る国道438号線沿いにひときわ鮮やかな朱の鳥居がございます。 幼少の砌、車に乗せられて神山町を走る最中に「何故こんな場所にお稲荷さんがあるんだろうか?」とふと考えたことがあります。それから数十年、長い歳月を経て、この地になぜ「…

大宜都比売命直系 阿波女社宮祖系を追え!(一宮町 一宮神社、国府町 天石門別八倉比賣神社)

最近、大宜都比売命にいろんな意味でハマっております。 一宮神社には「阿波女(あわめ)社」国造家の系図が所蔵されていたとのことで、「阿波女社宮主祖系」を取り入れた「粟国造粟飯原家系図」が残されております。これには積羽八重事代主神の后神として…