awa-otoko’s blog

阿波の神秘的、不思議、面白い場所を記紀や地域伝承と絡めて紹介します

名西郡

阿波女社宮主祖系を探る… 粟国造家と粟国造館の秘密

阿波女ハ太粟姫尊ノ御事若室神ハ太粟姫尊の御子ニテ畠多神迄ヲ高皇産霊尊九世孫 千波足尼迄ヲ神ト記サル也 大宜都比売命の末裔は大宜都比売命の御子 若室神(葦稲葉神)より八代目の畠多神までが神とし、粟國造之祖八倉比賣神社宮主とされ、以降九代目の佐…

大宜都比売命の父は天手力男命

前回の続きです。 冒頭からトンデモないテーマで開始してしまいました。。。 さて、前回は「天石門別八倉比賣神社」は「天石門別豊玉比賣神社」だった旨を文書を基に簡単に紹介した訳でありますが、今回はこの結果に至った経緯を書いてみたいと思います。 …

八倉比賣神社は天石門別豊玉比賣神社だった

号外です。 ある方からトンデモナイ資料を頂きました… 今までこの資料の内容を血眼で探していた人もいると思いますのでまずは読んでみて下さい。 杉尾明神八倉比賣神社ニ非ルチ知ルヘシト思フニ杉尾ハ□(キハ)メテ天石門別豊玉比賣神社ナルヲ豊玉比賣神社ハ…

大宜都比売命と壹與と乃良根公と。

今回は私の稚拙な想像レベルの話ではなく、毎回キレッキレの考察でとてもわかりやすい"乃良根公(のらねこぶるーす)氏"の文言を借りて話を進めさせて貰います。 http://blogs.yahoo.co.jp/noranekoblues 乃良根公氏が綴る超有名blog 「空と風」。 阿波古代…

2016年明けましておめでとうございます。

(2016年 元旦 初日の出)元旦は天石門別八倉比賣神社へ初詣。次に一宮神社へ。最後に上一宮大粟神社にご参拝。各神社に行くまでの道はまるで貸切。こんなにスイスイとクルマが進めたら大麻比古神社の初詣なんて考えられなくなります。(笑)たぶん今ごろ大…

高越大権現と一宮大明神の争いから大宜都比売命の移動を探る(麻植郡 高越山・名方郡一帯)

さて、今年も残すところあとあとわずかになってしまいました。今年最後の投稿になります。 (高越大権現 奥の院 蔵王権現) 伊射奈美神社高越大権現役ノ小角此峯ニ升リ伊弉冉神社ノ側ニ金峯山蔵王権現ヲ勧請有テヨリ河原吉野川□ト云フト此神ヲ役小角祭リ玉…

天石門別豊玉比賣神社の祭神とは?(徳島市、入田町、佐那河内村、国府町)

今按本社所在阿波志阿府志共に徳島城内の龍王なりと云へるを式社略考には今の郭築たまはざる以前よりし在し社ならば此所ならんか 恐くは國初の御時勧請せさせ玉ひしにあらぬかと云へどもこの龍王に明應中の金口もあれは天正以来の社ならざる事は著し 一説に…

天帯の宮リニューアル(不動町 雨降神社)

今按阿府志に南新居村にあり俗に雨降ノ宮と云 此神社に村民雨を祈事あれば前池より小蛇出て木にのぼる果して雨降ると云とみえ式社略考に同社の事を雨垂宮とあり古事記に海神の事を吾掌水ともみえその御娘なれば雨乞に由あり然れば雨垂の宮必豊玉姫なるべしと…

船盡比賣命は木船ノ神(神山町阿野 船盡神社)

awa-otoko.hatenablog.com入田町の船盡比賣神社については全国の岐の神の元社とし、大宜都比売命の兄弟神「天 島(鳥:とり)船神」が祭神であると書きましたが、松浦年長が記した文書から捨て置けない内容を発見しましたのでご紹介します。(歯の辻 船盡神…

大宜都比売命・阿波咩命・天照大神・卑弥呼を結ぶ平行四辺形

一宮太夫略系若室神九世孫佐人 佐人ヨリ十世豊茂ヨリ十六世宗成ヨリ小笠原宮内大夫長宗江祭官傳神禄傳之(異本阿波志より) awa-otoko.hatenablog.com 大宜都比売命 即ち阿波咩命の系図「阿波女社宮主系」が「粟国造 粟飯原系図」であり、こちらが一宮神社所…

稲荷神にして合体神 - 葦稲羽の神(神山町 若宮神社・稲荷大明神)

神山町 神領を通る国道438号線沿いにひときわ鮮やかな朱の鳥居がございます。 幼少の砌、車に乗せられて神山町を走る最中に「何故こんな場所にお稲荷さんがあるんだろうか?」とふと考えたことがあります。それから数十年、長い歳月を経て、この地になぜ「…

大宜都比売命直系 阿波女社宮祖系を追え!(一宮町 一宮神社、国府町 天石門別八倉比賣神社)

最近、大宜都比売命にいろんな意味でハマっております。 一宮神社には「阿波女(あわめ)社」国造家の系図が所蔵されていたとのことで、「阿波女社宮主祖系」を取り入れた「粟国造粟飯原家系図」が残されております。これには積羽八重事代主神の后神として…

阿波一宮城 明神丸は大宜都比売命の祠跡(一宮町 一宮神社)

今回は大宜都比売命繋がり続編ということで一宮神社です。 awa-otoko.hatenablog.com ところで「阿波志」を調べてましたら「弘法大師 山祇ノ神、宇賀女神、宇賀御霊神の三神を合わせて稲荷神として祭る」と書いてあります。 完全にスルーしてしまってました…

大宜都比売命、伊勢までの足取り

いやぁ〜、参りました。。。 私的なことですが今迄阿波の神社巡りをした時の記録、写真データが消滅してしまいました。。。(苦笑)みなさんバックアップは確実にしておきましょうね。 という訳で急遽考えていたテーマを変更して、手前味噌ですが今回のテー…

大宜都比売命の御馬石(神山町 神領)

古より神石として尊信せるのみならず、その古伝と能く符号せるを見れば、即ち大宜都比売命の来臨の霊地にして、阿波の国 開開闢の原地と考えられるべし。 神山町神領 上一宮大粟神社から南にある丹生というところに神代から伝わっている「御馬石」というもの…

祭壇があった神社(神山町上分川又 黒松大明神)

践祚大嘗祭の原形は神代 天の元山に於いて阿波のみで行われていました。践祚大嘗祭の記録は平安時代 醍醐天皇の御宇延喜十三年(九一三)に編録された延喜式 巻七に記されたのが唯一の文献となっていますが、この時代より千年以上も遡った記紀の神代から続い…

大日寺は船盡神社の別当寺(大日寺、船盡神社、一宮神社、船盡比賣神社、麻能等比古神社)

(大日寺) 四国第十三番霊場である一宮町 大日寺は弘法大師の開基にして蕉中分國中寺の近くにあります。 (一宮神社) しかし大日寺は元来、神山町 船盡神社の別当寺であり、一宮神社の別当寺であった神宮寺の廃絶と共に現地に移動して一宮神社の別当寺とな…

磯輪上乃秀真国是阿波国也(舎心山 太龍寺縁起)

天長二年、空海教王護国寺の管長になりて三年、阿波国太龍寺縁起金剛遍照撰を修め、「阿波国那賀郡舎心山太龍寺天神七代之内六世面足尊煌根尊降居坐磯輪上秀真国是阿波国也」と阿波国太龍寺に一文を寄せた。 これは倭奴国面土国王を長の国(那賀郡)の大王面…

平家の宝刀 小烏丸(高根山 悲願寺、祖谷山)

神領村高根の観音は高根に在り、高根と云所は昔平氏の党逃篭りし所也、一里斗山上に人家十余軒あり、この山上に観音堂あり往古より有りしと也、蓋し平氏の徒これを建てるが霊験ありて参拝多し皆平家の苗胤と云、昔の兵器を家に持伝えたりしが近世一人の山伏…

神と鬼と龍がいた村(神山町)

今回は名西郡神山町のいい場所をご紹介。神山町は阿波の国そのものである「大宜都比売命」が降臨していた場所。さらには卑弥呼(天照大御神)、アジシキタカヒコネ、事代主命の后で天日鷲命の妹、阿波咩の伝承が残されている神が居住した地であります。今回…

素戔嗚命の歯(初臼山不動院)

爾に須賀の地に到り坐して詔りたまはく、「吾此地に来て、我が御心すがすがし」とのりたまひて、その地に宮を作りて坐しき。故、その地をば今に須賀と云ふ。玆の大神初めて須賀の宮を作りたまひし時、その地より雲高く騰りき。 神山町の須賀山から峰続きの西…

笑う門には福来たる(幸福神社)

幸福神社です。 神山町上分字川又に鎮座。 主祭神は ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。 貧乏神w (笑) まぁ、、、ぐだぐだ文字で説明しても何なんで写真で確認して下さいませ☆ 紅白の布が巻かれた柱のことですな。 ボコボ…

義人の社(石井町 五社神社)

今回は記紀の物語に関係ない神社の紹介となります。 石井町に鎮座する五社神社は、祭神は山口吉右衛門命、山口市左衛門命、後藤常左衛門命、後藤京右衛門命、宮崎長兵衛命。 藩制中期の宝暦6年、徳島藩の藍作行政に抵抗して吉野川中・下流の農民が起こした…

命、延らえますよう…(天石門別八倉比賣神社)

天地初発より記される阿波国風土記を持っていた阿波。 阿波では古事記に登場する神代の神々が、それぞれの場所、それぞれの祭祀を行いながら今に伝承されてきました。 その中で天照大御神を拝する場合に限り、 「命延らえますよう… 」 と唱えるのが習わしで…

源氏の祖は神山 神根山に眠る(長満寺)

源 満仲(みなもと の みつなか)は平安時代中期の武将。清和源氏、六孫王経基の嫡男。多田源氏の祖で、多田 満仲(ただ の みつなか、ただ の まんじゅう)とも呼ばれる。諱は満中とも記され、神号は多田大権現。 中世に至り、源氏の太祖である多田満仲は…

小碓命から倭建命へ そして東道巡行(東道神社)

今回は倭建命(日本武尊)のお話。 古事記と日本書紀ではストーリーに若干違いがみられます。 記紀の内容を別々に引用してみました。 【古事記】父の寵妃を奪った兄大碓命に対する父天皇の命令の解釈の違いから、小碓命は素手で兄をつまみ殺してしまう。そ…

品陀真若王と三比賣(石井町)

(品陀真若王社跡) 名西郡石井町の日本武尊 殯宮白鳥の上流、大きく入込んだ入江に沿って「品陀真若王(ほんだのまわかおう)」と、その娘達 三人の比賣は祭祀されています。 「品陀真若王」とは五百城入彦皇子の王子、景行天皇の孫王にあたります。そして…

宇狭の宮(神山町 宇佐八幡神社)

前回は阿部仲麻呂をテーマにしたので、今回は和気清麻呂つながりで。(笑) 769年 称徳天皇の御宇に和気清麻呂が神教を授かるために参拝し、神告を受けた「宇狭の宮」とは神山町 宇佐八幡神社のことであります。 詳しくはこちらから。和気清麻呂 - Wikipedi…

阿部仲麻呂(入田町 三かさ山)

天の原 ふりさみければ 春日なる 三かさの山に 出でし月かも… 【解釈】大空を仰いでみると、今しも月が美しく昇っている。あの月は、故郷の春日にある三かさ山に昇っていた月と同じ月なのだろうか。 阿部仲麻呂が故郷の山々を思い浮かべながら詠みあげたこの…

須賀の宮(須佐之男命と櫛名田比売と八岐大蛇)

またまた須佐之男命(スサノオ)関連です。 須佐之男命、櫛名田比売、八岐大蛇については以前からちょこちょこ書かさせて貰ってます。 <a href="http://awa-otoko.hatenablog.com/entry/2014/10/10/214704" data-mce-href="http://awa-o…